2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会科教育における地域資源と情報ネットワークの有効活用による教育システムの開発
Project/Area Number |
15530597
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山中 守 熊本大学, 教育学部, 教授 (70140952)
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Keywords | 社会科教育 / 地域経済学 / 条件不利地域 / 情報社会 |
Research Abstract |
本研究の目的は,条件不利地域の社会科教育における地域経済の役割を再評価し,さらに社会科教育環境としての地域資源を有効に活用し,情報社会における社会科(経済学)教育システムを構築することである.この研究目的に従って調査と分析を実施した. 調査と分析結果の概要はつぎの通りである.第1に,社会科見学の実態調査から,条件不利地域の学校教育では,社会科見学などに適した産業が少なく,教育環境としての課題を明らかにした.第2に,戦後の消費構造を分析することにより,戦後の経済成長の過程で見失われてきた食料の安全性などに関しては,自然環境が豊かな農村の方が都市よりも有利であることなど,新たな視点を明らかにした.このように戦後の消費構造を分析することにより,農村などの条件不利地域に対して新たな視点からの再評価が可能になり,社会科教育の教材として重要な役割を果たすものとして評価できる.なお,戦後の消費構造の分析には多変量解析を応用した.第3に,条件不利地域の教育環境の改善には,情報通信技術(ICT)を有効に活用することの必要性を指摘した.これに関してはオーストラリアでの調査が役立った.第4は,最終年度(平成17)の中心的な課題である社会科(経済学)教育システムの具体的な構築に取り組んだ.過疎地と離島の学校現場を再調査して,これまで見落としてきた問題点を整理し,社会科教育における地域資源と情報ネットワークの有効活用による経済学教育システムを具体的な教科書(テキスト)形式で取りまとめた.この具体的な研究成果を印刷物としてまとめたのが研究成果報告書である.最終年である今年度は,補足調査の実施と分析および研究総括と報告書の執筆を中心に取り組んだ.
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