2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530599
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
長谷川 豊 京都府立大学, 福祉社会学部, 助教授 (90254317)
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Keywords | 福祉学習(教育) / ボランティア学習 / カリキュラム開発 / 福祉教育協力校 |
Research Abstract |
1.今年度、福祉学習(教育)・ボランティア学習、総合的な学習における社会体験的学習等に関する文献、資料の収集、検討を引き続き行った。総合的な学習の時間の創設や奉仕活動・体験活動推進政策の流れを受けて具体的事例紹介やマニュアルが多数刊行されている。しかし、今年度実施した学校や社会福祉協議会の関係者の聞き取りを含む調査からうかがえるのは、実践的に障害者・高齢者理解としての擬似的体験にとどまり、しかも異なる学校階梯にもかかわらず同様の体験が繰り返し実施されている。また、当事者との交流も短期的イベント的段階から抜け出せず、さらに教師を含む学校関係者はこれら体験的活動をカリキュラム全体のなかに位置づけて展開するよりはむしろ、社会福祉協議会や施設の関係者に委ねがちである。 他方、児童・生徒の発達段階や生活体験、また地域の社会福祉施設やボランティアといった社会資源を十分に踏まえたカリキュラムづくりが各学校において一層重要であり、その素地や認識が教師や保護者・地域住民、社会福祉協議会や施設の関係者の間で共有され始めている例もある。とりわけ、カリキュラム改革を学校改革の中軸にすえて教師自らがカリキュラムづくりに主体的に担っているケースにあっては学校階梯を越えた経験交流が進められており、また社会的資源との密接な連携が形成されてきている。 2.研究代表者は、昨年度から継続して、京都府内において特色ある学校づくり・カリキュラムづくりを進めている府立南八幡高等学校の普通科(総合選択制)人間環境コースのスーパーアドバイザーとして、同校の福祉学習カリキュラム開発や教材開発にかかわっている。同校の実践の参与観察を重ねながら、同校の教員や関係者とともに高校段階の福祉学習(教育)のあり方を実践的に追究するとともに、小・中・高・大という学校階梯を貫く、連携した福祉学習(教育)の可能性について探究している段階にある。
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