2005 Fiscal Year Annual Research Report
保護者と教師の連携を促すコンサルテーションプログラムの開発
Project/Area Number |
15530621
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上村 惠津子 信州大学, 教育学部, 助教授 (30334874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石隈 利紀 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (50232278)
永松 裕希 信州大学, 教育学部, 助教授 (60324216)
水野 治久 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80282937)
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Keywords | コンサルテーション / 保護者面談 / 発話分析 / ロールプレイ |
Research Abstract |
本研究は、教育ニーズの大きい子どもの援助において、保護者と教師の連携を促進するためのコンサルテーションプログラムを開発することを目的としている。昨年度までに、コンサルテーションの一形態である事例検討会を取り上げ、その実態と課題を明らかにし、事例検討会の展開モデルの構築を試みた。今年度は、これらの成果を基に、保護者と教師の面談場面における教師の働きかけに焦点をあて、保護者に対する教師の言語コミュニケーションの実態を把握し、その特徴を明らかにすることを目的として研究を進めた。 具体的には、現職の教員を対象に2人1組のペアでロニルプレイを実施し、計13ペアによるロールプレイの逐語録から教員役の発話を分析した。Street(1992)の分類基準に基づき教師の発話を6つのカテゴリーに分類した結果、半数以上の教師の発話において「情報提供」が全発話の40%以上を占めていた。一方で、「パートナーシップ構築」「ポジティブな社会情緒的発話」「質問」といったカテゴリーは、ほとんどの教師の発話において全発話数の10%未満にとどまっていた。これらのことから、教師は情報提供を中心として保護者面談を展開していることが推察された。 これらの結果を、事例検討会における3つの課題、すなわち、「意見交換不足」「要因分析不足」「援助方針及び役割分担の明確化不足」の視点から分析した。その結果、保護者面談は、教師が独自に行った「要因分析」や「援助方針及び役割分担の明確化」を保護者に示す形態が中心であり、保護者と教師が意見を交換する場になっていない可能性があることが推察された。
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Research Products
(1 results)