2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530624
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
佐々木 和義 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (70285352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅彦 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20252819)
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Keywords | ADHD児 / 行動的介入 / 教室場面行動 / 小学校 / 注意障害 / 多動 / 教師支援プログラム / 認知行動的介入 |
Research Abstract |
小学校の教室場面で継続的なデータを収集できた5件を報告する。 1件目は,1年生の学級で,10月の末(2学期)から2月の末(3学期)にかけて担任はADHD男児を前方の席に移して注意を喚起するなどの通常の対応をとった。学期が経るにつれて,ADHD児も健常児も大きな逸脱行動は減少し,同じ刺激事態で生起した。そわそわ行動は,3学期でもADHD児に頻発し,振り向き行動は異なる刺激事態で生起した。 2件目は,1年生の学級で,ADHD児以外の多くの児童にも逸脱行動が頻発していた。6月の末(1学期)から1月の末(3学期)にかけて担任と副担任が1件目と同様の対応を行った。その結果,児童達の逸脱行動は減少しなかった。 3件目は,1学期の1年生の学級で,ADHD児以外の多くの児童にも逸脱行動が頻発した状態であった。1つの逸脱行動への関与人数は2〜3名であった。担任は教示はゆっくりと与え,着目行動には社会的刺激を随伴させ,全体への叱責は大きな声で行い,個別への注意喚起と叱責は傍で小さな声で行った。健常児の逸脱行動は2週間で目覚しく減少し,ADHD児の逸脱行動は異なる刺激事態で生起するようになった。 4件目は,担任が学級内で中学年児童の望ましい対人行動に社会的刺激を全体に分かるように随伴させ,ADHD児のオンタスク行動に個別に社会的刺激を随伴させた。その結果,ADHD児のオンタスク行動は増加した。 5件目は,逸脱行動の著しいADHD児で,学校に対して行動分析による対応を講義し,大学院生が授業に付き添って望ましい行動に個別に社会的刺激を随伴させ,攻撃行動などの著しい逸脱行動にはタイムアウトを随伴させた。その結果,逸脱行動は減少し,大学院生の付き添いをフェイドアウトすることができた。
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