2005 Fiscal Year Annual Research Report
CTMブートストラップ法に基づく楕円量子可積分系の解析
Project/Area Number |
15540218
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
桑野 泰宏 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 助教授 (80309038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中屋敷 厚 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (10237456)
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Keywords | 楕円量子可積分系 / 8頂点模型 / CTMブートストラップ法 / 無反射8頂点模型 / 4点形状因子 / Smirnovの公理 / BelavinのZ_n対称模型 / 多変数アーベル函数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、8頂点模型や8頂点SOS模型などの楕円量子可積分模型を、主に角転送行列(CTM)法に基づくブートストラップ的なアプローチで解析することである。楕円量子可積分模型には、電荷非保存性により、量子頂点作用素の方法を直接適用するのが困難で、技術的困難を克服するためCTMブートストラップ法や頂点・面対応法など、あらゆる方法論を駆使していかなければならない。 今年度、桑野はLandau InstituteのMichael Lashkevichと共同で、無反射8頂点模型に対して、4点形状因子を積分なしのテータ函数の和として書き下した。ただし、その表式が形状因子に関するSmirnovの公理をみたすことが明白ではないため、その成果を論文にまとめるまでには至ってない。 また、8頂点模型の相関函数と形状因子に関して、神戸大学理学部・神戸大学大学院自然科学研究科における集中講義で、その基礎から詳しい構成法まで講義した。(2005年5月30日〜6月3日) さらにこの構成法が、8頂点模型の高ランク版である、BelavinのZ_n対称模型へ拡張できるかどうかを現在考察中である。 中屋敷は、楕円量子可積分模型に現れるテータ函数に関連して、多変数のアーベル函数をどんどん微分していって一般のアーベル函数を作りだすことが出来るか、という問題を考察した。超楕円曲線のヤコビ多様体上のアーベル函数についてはこの問題の答えに関して中屋敷とSmirnovによる予想があるが、今年度は特に、この予想を種数3の場合に解決した。この成果を、東京大学数理科学研究科における集中講義で講義した。(2005年11月7日〜11月11日)
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Research Products
(3 results)