2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540278
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 礼三郎 岡山大学, 理学部, 助教授 (90325077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅野 行成 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80260412)
中野 逸夫 岡山大学, 理学部, 教授 (90133024)
津野 総司 岡山大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 素粒子実験 / トップ・クォーク / CPの破れ |
Research Abstract |
本研究は,アメリカ合衆国シカゴ郊外にあるフェルミ国立加速器研究所(FNAL)にあるテバトロン加速器を用いた陽子・反陽子衝突実験(CDF実験)において,トップ・クォークにおけるCPの破れを研究するものである。標準模型を超える物理の探索を行ない,宇宙でのバリオジェネシスに知見をもたらすことを目指す。1994年のトップ・クォークの発見以来,トップ・クォークの特性が精力的に研究されてきた。Run-II実験では,高統計量でトップ・クォークが対生成されると期待されており,トップ・クォークの生成・崩壊メカニズムの研究は特に重要である。 今年度は,トップにおけるCP非保存の観測のための理論的な基礎研究と,実験データ解析のための準備を行なった。新しい解析方法を用いてトップ・クォークの崩壊メカニズムを研究した。解析チャンネルは,イベント・トポロジーの全再構成を要求するため,レプトン+4ジェットのトップ・クォーク崩壊事象を使った。これまでの研究成果は,以下のようである。(1)トップ・クォークMCの崩壊バーテックスに異常結合定数を組み込んだ。(2)トップ・クォークからのWボソン静止系でのレプトンとジェットを使って,Wボソンの縦・横偏向成分を再構成することにより,最も異常結合定数に感度のある運動学的な分布を見いだした。(3)終状態の崩壊粒子も含めたエネルギー・運動量を精度良く再構成するためのLikelihoodを開発した。(4)シミュレーションレベルで発見ポテンシャルを見積もった。1fb^<-1>の統計量があれば,f2/f1>1.0まで発見,もしくは排除可能である。 これらの結果は,2004年度秋季日本物理学会において報告した。現在、実際のデータを使った解析を進めている。
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