2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリンのスタッキングと水素結合を利用した機能性超分子の構築と物性
Project/Area Number |
15550132
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
村嶋 貴之 甲南大学, 理工学部, 講師 (20263923)
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Keywords | ポリフィリン / π共役平面 / 縮環型ピロール / ボロンジピロメタン色素 |
Research Abstract |
アセナフテンが縮環したピロールは大きく拡がったπ共役平面を持つため,この骨格をユニットとして共役の途切れない分子を構築すれば,HOMO-LUMOギャップの非常に小さな機能性分子が得られる。このピロールを常法によりポルフィリンへと変換するとQバンドが700nm以上の長波長領域にシフトするだけでなく,Soretバンドも525nmまで長波長シフトを起こした。このポルフィリンは高度に共役が拡張しているため,π-πスタッキングが強すぎてほとんど溶解しないため,メソ位に置換基を導入し,溶解性の向上を図った。これらの化合物ではSoretバンドが600nmを越える化合物も得られた。紫外可視吸収スペクトルの変化から,メソ位の置換基の種類によって電子的性質をコントロールすることができたが,ポルフィリンの共役拡張は対角に配された2つの縮環ピロールによって決定されるため,残りの2つのピロールには別の修飾を加えてもπ平面拡張に伴う電子的性質にはそれほど影響を与えない。そこで,アセナフトピロールと3,4-ジブトキシピロールが交互につながった型のポルフィリンを合成した。このタイプの化合物では,縮環ピロール側で電子的性質を,β置換ピロール側で化学的,物理的性質をコントロールすることができるため,この合成法は機能性分子の構築には有効な手段である。同様にアセナフトピロールやその他の縮環型ピロールから得られるボロンジピロメタン色素は吸収波長のコントロールが容易であるため,望みの色をもつ色素を設計し,合成することができた。
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Research Products
(1 results)