2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規な側鎖型液晶性アイオノマーの合成とその電気粘性効果に関する研究
Project/Area Number |
15560013
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中村 尚武 立命館大学, 理工学部, 教授 (10066722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 豊 立命館大学, 理工学部, 教授 (90160689)
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Keywords | 液晶 / 高分子液晶 / アイオノマー / 電気粘性効果 / ER効果 / 誘電率異方性 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続きアイオノマー機能を持たない側鎖型液晶性高分子の合成と物性を継続した.高分子骨格としては,その柔軟性を考慮してポリシロキサンとした.これに側鎖を導入し,側鎖型液晶性高分子を合成した.メソゲン基には大きな電気粘性効果を示す正の誘電率異方性の大きな基,具体的にはメソゲン基末端のフェニル基にフッ素原子を1〜3個導入し,誘電率異方性を強化すると共に,これらメソゲン基の違いが電気粘性効果に及ぼす影響について検討した.合成した3種類の側鎖型液晶性高分子について行ったDSC測定の結果,全ての試料で液晶相の発現が確認された.次いで,これらすべての試料の電気粘性効果を測定した.その結果,試料間の違いが明らかに観測されたので,この結果を,リュブリャーナ(スロベニア)で開催された第20回国際液晶学会で発表した.現在,この論文を投稿中である. また,アイノマー機能を持つ側鎖型液晶性高分子に関しては,ポリメタクリル酸の側鎖末端のカルボキシ基をエチルエステル化する事によって分離精製を容易にした.ついで,アルカリによる加水分解でエステル部分にアルカリ金属を導入し,アイオノマー化を進めた.この方法は,目的以外の部分のエステル結合にも影響を及ぼす可能性があるので,NMRを用いて構造解析し,検討した.その結果,分子設計どおり目的箇所にアルカリ金属が導入されており,最終的に,アルカリ金属含有量の異なる3種類の目的化合物が得られた.これら液晶性アイオノマーのDSC測定と偏光顕微鏡観察の結果,液晶相の発現が認められた.現在,これらの電気粘性効果を測定中である.
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