2003 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金の2方向特性開発とそのマイクロデバイスへの応用
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15560069
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
徳田 正孝 三重大学, 工学部, 教授 (90023233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 泰之 三重大学, 工学部, 教授 (80150283)
稲葉 忠司 三重大学, 工学部, 助教授 (70273349)
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Keywords | 形状記憶合金 / 2方向特性 / トレーニングプログラム / 実用Ti-Ni合金 / 燃焼合成法 / 複合負荷実験 / マイクロアクチュエータ / 知的材料システム構築 |
Research Abstract |
まずTi-Ni形状記憶合金の複合負荷条件下における基本的熱力学的変形特性を明らかにすることを目的に系統的な実験を実施した。これまで最も優れた《極言すれば唯一の、産業応用に耐え得る》実用形状記憶合金Ti-Ni合金材料は、その技術的制限により工業的には線材あるいは薄板材としてしか提供されなかったが、近年の科学技術庁金属材料技術研究所により開発された燃焼合成法により、任意形状のTi-Ni形状記憶合金の製作が可能となった。燃焼合成法をTi-Ni-合金に用いる手法に関しては現在特許出願中である。本研究ではこの手法で製作されたTi-Ni形状記憶円筒試験片に、ねじりと軸力の組み合わせ負荷を与えることにより、Ti-Ni形状記憶合金の多軸負荷・複合負荷条件下での変形挙動を系統的な実験を実施した。これまで、形状記憶合金、特にTi-Ni形状記憶合金の複合変形挙動については興味が持たれていたが、得られる試験片形状がワイアー状であり、したがって殆どの基礎実験が単軸引張によるものであり、例えば圧縮特性、ねじり特性に関する実験データは極めて不十分で、更に組み合わせ負荷試験のデータは殆ど見受けられなかったが、本研究により形状記憶合金の基本特性とその産業応用の広い可能性が確認された。 さらに、これらの基礎的・系統的結果を踏まえ、Ti-Ni合金の2方向形状記憶特性を、実験的《巨視的、微視的》に精査した。とくに2方向形状記憶特性に関わる残留(内部)応力を効果的に生み出す、いわゆる"トレーニング"プログラムについて系統的に精査した。これらの成果についてはいくつかの国内外のシンポジウムにて発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Tokuda, K.Hashimoto, T.Inaba, B.Bundara, P.Sittner: "Experimental Research on Deformation of Ti-Ni SMA under Multi-axial Loading Conditions"Dislocations, Plasticity and Metal Forming, Proc.of PLASTICITY'03. 244-246 (2003)
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[Publications] M.Tokuda, K.Hashimoto, T.Inaba, P.Sittner: "Experimental Research on Deformation of Ti-Ni SMA under Multi-axial Loading Conditions"Mechanical Properties of Advanced Engineering Materials, Proc.of IMMM2003. 24-28 (2003)
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[Publications] 山崎雅和: "力学的トレーニングによる二方向形状記憶効果に関する実験的研究"平成15年度三重大学工学研究科博士前期課程学位論文. 1-60 (2004)
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[Publications] 張 萌星: "変動温度場におけるTi-Ni形状記憶合金の変形挙動"平成15年度三重大学工学研究科博士前期課程学位論文. 1-54 (2004)