2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560161
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
八田 潔 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (80280379)
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Keywords | 空気摩擦抗力 / 糸 / 同軸噴流 / シミュレーション / 糸操作 / 繊維機械 / 圧縮性空気流 |
Research Abstract |
空気流を利用して糸を操作するために,管内空気流の解析を行うとともに,実験とシミュレーションによる糸の空気摩擦抗力の比較検討を行った.結果は以下のとおりである. (1)管路に対して中心部分から噴流が作用する「拘束噴流」では,空気供給圧力が低い場合流れは管路内で膨張しながら徐々に加速していくが,供給圧力が高くなると管路内での膨張拡散が十分に行えず,流れが音速に達すると一定速度で流れ,管路出口付近で急激に拡散する.この時噴流の吹き出し口付近に着目すると,管路の上流にはポテンシルコアが発生し周囲空気と大きな速度差をもつ領域が存在する.また,管路が短い場合にはこの領域で衝撃波の発生が認められる. (2)管路の外周部分から噴流が作用する「環状噴流」では,空気供給圧力の高低にかかわらず管路内空気流の加減速傾向に変化は見られなかった.特に,供給圧力が高い場合でも,ポテンシャルコアの規模は小さく,また衝撃波の発生も起こりにくいことが確認された.管路内では,拘束噴流の場合のように流れは不足膨張とはならず,下流に向かって膨張加速が行われている. (3)供給圧力が高い場合,糸の張力は環状噴流の場合のほうが変動が少なく安定していることがわかった.拘束噴流では,衝撃波の発生やポテンシャルコアの影響によって糸の飛走経路が変化して張力が大きく変動するとともに,糸に局部的な負担をかけてしまう可能性もある. (4)汎用熱流体解析ソフトを使用して,これまで実験では把握が困難であった細い管路内の空気流の拡散や密度・速度変化の様子を明らかにすることができた.また,シミュレーションをもとに計算した糸の空気抗力は,実験により得られた値とほぼ一致することも確認された.
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