2005 Fiscal Year Annual Research Report
光パルス同期化学気相成長法による高効率薄膜太陽電池作成に関する研究
Project/Area Number |
15560283
|
Research Institution | TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE |
Principal Investigator |
大下 祥雄 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10329849)
|
Keywords | 化学気相成長法 / 太陽電池 / 化合物半導体 |
Research Abstract |
我々は化学ビームエピタキシー(CBE)法によって高品質のGaAsN製膜を目指している。CBE法は高真空中でガス原料を用いて製膜を行う方法である。これまでに、基板温度400℃程度の比較的低温で製膜を行う事で、窒素濃度が数%でX線回折のピークが鋭い良質の結晶が得られる事を見出している。しかしこの温度で作製した膜中には炭素や水素が10^<18>cm^<-3>程度、残留不純物として含まれており、残留キャリア濃度も10^<18>cm^<-3>程度と高い。残留不純物の低減には製膜中に原料の分解を促進する事が必要である。本研究では、原料の分解反応を促進するために製膜中に光照射行った。光源はハロゲンランプを用い、光照射は断続的に行った。 光照射時間と中断時間をそれぞれ1-2秒、30数秒程度にした場合、N濃度の増加と不純物濃度が低下した。さらに、照射間隔と中断間隔を1-2分する事により、膜中の窒素濃度が0〜1%程度の間で周期的に変化する事を見出した。これは不純物低減と直接の関係はないが、原料供給量を変える事無く膜中の組成制御の可能性を示しており、光照射が量子構造等の作製においても有効であると考えられる。さらに、このとき炭素や水素の濃度も10^<16>cm^<-3>程度まで低下しており、残留不純物濃度低減にも有効である事が示された。
|