2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域環境改善のための消費者環境意識と環境行動に関する研究
Project/Area Number |
15560462
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯沢 昭 前橋工科大学, 工学部, 教授 (20005557)
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Keywords | 家庭ごみ / 構造的方策 / 心理的方策 / ごみ集積所 / 環境改善 / 消費者行動 / 環境意識 |
Research Abstract |
本研究は,年々増加する一般廃棄物の中でも「家庭ごみ」に着目し,ごみの削減方法の検討とごみの排出場所である「ごみ集積所」の改善に関する調査研究を行ったものである。本研究により得られた主な結論は以下の通りである。 (1)「ごみ問題に対する意識」は,「商品購入行動」「リサイクル意識」「ごみの分別行動」に影響し,最終的には「ごみの減量対策」へと影響を与えていることが明らかとなった。また,この構造は,個人属性により大きな違いがあることも分かった。特にごみ問題に積極的な層としては,「60才以上」「主婦」「人口密度の低い地区」が挙げられ,逆に消極的な層としては,「男性」「若年層」「集合住宅」が挙げられた。このことからもごみ問題に対する関心は,地域のコミュニティとの繋がりの強弱が大きく影響していることが明らかとなった。 (2)ごみ減量対策としては,個人の負担(有料化や分別の細分化)を避け,法的規制強化や補助金助成といった他力本願的な傾向が認められた。このことからも,ごみ問題に対する意識と行動は必ずしも一致していないことが考えられる。 (3)ごみ問題に対する意識の違いは,ごみの排出行動にも表れ,特に高層住宅や学生などの若者が多く居住しているアパート付近のごみ集積場の管理状況に問題があることが明らかとなった。特に指定されたごみ分別の不徹底により,集配されないごみが集積場付近の環境や美化に大きく影響を与えている。このことから,集合住宅などでは専用のごみ集積場を設置し,かつ,住民に対する教育指導が不可欠である。 以上の結果から,家庭ごみ問題は単なる家庭だけの問題ではなく,環境全般に関わりを持っているため,家庭ごみ問題などの身の回りの環境問題と地域環境問題との関係,地域環境問題と地球環境問題との関係を教育指導することが不可欠であり,その上で,必要な制度の改正やペナルティの導入などが必要である。
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