2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560518
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀田 健治 日本大学, 理工学部, 教授 (00139106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 憲 日本大学, 生産工学部, 教授 (00060046)
林 成之 日本大学, 医学部(研究所), 教授 (10059503)
岡本 強一 日本大学, 理工学部, 講師 (50256806)
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Keywords | 脳波 / 人工超音波 / 精神的発汗 / 顔面皮膚温度 / ストレス |
Research Abstract |
人間に聞こえない音として身の回りに存在する超音波が人間にどのような影響を与えるのかについてはこれまで、脳波の挙動や、血流量、その他脳ホルモンの分泌状況などを指標とした計測をにより研究されてきた。その結果、超音波が暴露された状態では、脳波は活性化され、血流量も増加するなどの結果が得られており、筆者らも様々な音源による超音波領域の周波数特性や音圧を変化させて実験した結果でも同様の結果を得てきた。しかしながら超音波の影響を脳波のみならず、交感神経や副交感神経の挙動も合わせ考察するために、精神性発汗やサーモメータによる皮膚音の挙動、唾液検査など他の指標を用いて、総合的の検討することが重要である。 本研究ではこれまでの脳波解析に加え、発汗、皮膚温などの実験データを得、脳波の挙動と比較しながら考察を行ってきた。その結果、脳波挙動と発汗、皮膚温とはいずれも同様の挙動を示し、超音波刺激が人間に及ぼす影響について、鎮静化や落ち着きに対する効果のあることを十分示唆する結果を得た。さらに、脳のうちどの部位の電位が活性するかなど、左脳、右脳、また、前頭葉、側頭葉、後頭葉などに分けてその反応を見てきた。これ等結果ではこれまで超音波は聴覚と言うよりも,骨振動、皮膚振動により中枢神経に伝達されると考えられてきたが、後頭部の視覚野や聴覚野での電圧が増加することから、聴覚や音を聞いたときのイメージ(視覚)によることから、後頭野の脳波が活性するのではないかなど新しい仮説も成り立つに至った。これ等研究は脳科学への方向であり、一方前者で得られた結果は今後工学的に人間生活空間(快適音響空間、居住空間)、その他音環境の視点からの自然資源保全・管理に役立てられる道が開けたと考える。
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