2003 Fiscal Year Annual Research Report
複合構造を有する機能的分子錯体結晶の析出機構とその制御技術に関する研究
Project/Area Number |
15560655
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北村 光孝 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60127644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 泰義 鐘淵化学工業(株), 精密化学品研究グループ, 工業化研究チームリーダー
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Keywords | 分子錯体 / 徐放化 / 多形 / 溶出 / 結晶化 |
Research Abstract |
本研究では分子錯体(分子間化合物)結晶の応用および実用化を目的として、結晶構造制御技術に関する検討を行った。まず、分子錯体結晶を創製するためのホスト化合物としては、水素結合性が大きくゲスト分子との相互作用が強く実用化が期待できると予想されるTetrakis(4-hydroxyphenyl)ethane誘導体を用いた。また、ゲスト分子としては有効な殺菌剤の一つであるisothiazoline誘導体(殺菌剤)を用いた。このホストとゲストは1:2の分子比率で分子錯体を形成する。isothiazoline誘導体(殺菌剤)は常温、常圧では液体で人体に対しては刺激性が強く、直接的な取り扱いは困難である。この分子錯体を用いれば、この殺菌剤を固体としてとり扱うことができ、その刺激性あるいは毒性を抑制することができる。さらに、分子錯体から殺菌剤を徐放化できれば長期にわたる実用化が可能になることが期待できる。そこで、この分子錯体について、多形現象の観点から、殺菌剤の徐放化過程の検討を行った。この結果、徐放化挙動には溶媒の組成が大きく影響すること、また、溶媒に対する分子錯体結晶の添加量も重要な因子であることなどがわかった。さらに、この殺菌剤の徐放化のメカニズムを明らかにした。すなわち、この徐放化の過程では溶媒分子をゲスト分子とする新たな分子錯体の結晶が析出することが明らかになった。このような溶出のプロセスは従来報告されていなかった現象であると考えられる。
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Research Products
(1 results)