2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570017
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
工藤 洋 神戸大学, 理学部, 助教授 (10291569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小菅 佳子 神戸大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (50215266)
渡邊 邦秋 神戸大学, 理学部, 教授 (80031376)
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Keywords | シロイヌナズナ属 / ミヤマハタザオ / ハクサンハタザオ / タチスズシロソウ / 繁殖様式 / 自家受粉 / 倍数性 / 開花反応性 |
Research Abstract |
・ミヤマハタザオ(ミヤマハタザオは四国剣山・本州・北海道に分布)の各地の野外集団より種子採集。北海道、長野県を重点的に調査した。 ・タチスズシロソウ(西日本の砂浜に分布し、各地で絶滅危惧となっている)の分布調査は、各地での絶滅により困難であった。従来より確認していた滋賀県3集団と三重県1集団に加えて、富山県において1集団を確認した。 ・上記タチスズシロソウについて、染色体数が2n=32の4倍体であることが明かとなった。また、減数分裂において16の二価染色体を形成していることを確認した。 ・タチスズシロソウ4集団において、袋掛け・除雄実験をおこない、同種が自家和合で自動自家受粉が可能であることが明かとなった。アポミクシスによる種子形成はなかった。また、琵琶湖(滋賀県)集団に比べて、伊勢湾(三重県)の集団で、訪花昆虫がよく観察された。主要なポリネーターはモモブトカミキリモドキであった。三重県の集団では花粉の持ち去り量が多いという、予備的な結果が得られた。 ・備品として購入したファイトトロン(コイトトロンHNM-S)を使用。日長条件を制御した栽培実験を開始した。これまで、南方に位置する集団ほど開花反応における低温要求性が強く、ミヤマハタザオでは低温処理の無い条件下で他集団と比べ開花が早いことが分かっている。バーナリゼーション要求性におけるタチスズシロソウ集団の遺伝分散を推定する予定である。
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