2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNA標識を用いたマカクとヒヒの遺伝的特性の再検討
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15570194
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
庄武 孝義 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (00003103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 明弘 北九州市立自然史歴史博物館, 学芸員 (10359474)
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Keywords | トクモンキー / マントヒヒ / アヌビスヒヒ / ヤクニホンザル / ミトコンドリアDNA / マイクロサテライトDNA / 塩基配列 / 遺伝的変異性 |
Research Abstract |
本年度の申請書の研究実施計画の項で記載したように、今年度は1981年から1984年にかけて採集したトクモンキーの20群からそれぞれ5頭づつをQIAamp DNA抽出kitを用いてDNAを行った。それぞれの固体のミトコンドリアのD loopの下流部の可変領域の340塩基をプライマー:saru4、saru5を用いてPCR増幅を行い、シーケンサABI-3100で塩基配列決定をおこなった。また別の科研費で調査行を行ったサウジアラビアのマントヒヒ生息地の最東部にあたり、岩砂漠が砂砂漠に変遷する環境のBishah周辺の1群れからの15頭と、1975年から1984年にかけて採集されたエチオピア中央部アワッシュ国立公園周辺のマントヒヒ様の個体群とアヌビス様の個体群、合計8群れからそれぞれ10個体づつを選び、前年度に報告したミトコンドリアDloopの上流部可変領域の430塩基を、ABI-3100を用いて塩基配列を行った。しかしながら2004年12月初頭より体調を崩し、当初予定していたスリランカへ出張し過去に採集した群れの動向を調査することも出来なくなった。ニホンザル担当の山根氏は申請者が1971年から1975年に集めた古い血液をQIAampを用いて見事にDNAを抽出し、核DNAの標識であるマイクロサテライトで解析を行い、ヤクシマニホンザルが、種の成立過程でbottle neckを通過していて、遺伝的変異性が低い種とされていたが、ホンドザルの変異性とほとんど同じレベルのものを、保持していると言う結果を得ている。予定していたいずれの種も塩基配列は決定されているので、この数ヶ月でそれらの具体的解析を行い報告できる成果を出す予定である。
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