2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15570197
|
Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 秀雄 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80201599)
|
Keywords | 骨性骨盤 / 現代人 / 線計測 / 写真計測 / 3次元計測 / 性差 / サイズ依存性 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
現代人骨性骨盤(bony pelvis)の形態を数値化して、人類進化における骨盤形態の変化の意味をバイオメカニクスの観点から分析するために必要な基礎データを得ることを目的とした。過去15年間に解剖実習(獨協医大)に供された遺体から晒骨し、現代人骨盤標本の整備を行った。平均死亡時年齢は65歳、合計119体。内訳は、男62体、女57体からなる。これらの骨格には、身長・年齢など記録されたデータが付随する。形態データの抽出するために、以下の3種の方法を用いた。線計測では、ノギスで13種19項目の標点間距離を測定した。写真計測では、上面と側面の写真撮影を行った。上面観は、骨盤上口の形態比較を行った。側面観からは、大坐骨切痕の形状の数値化および性差の分析を行った。三次元計測では、組上げた骨盤に対して、40個の標点を設定し、これらの三次元座標の測定を行った、3次元分析が威力を発揮すると考えられるのは、空間内での面の大きさや方向の定量化においてであるが、これら標点座標値を数値的に組み合わせて、17種の特性値を算出した。これらのデータの数値分析には、数種の統計分析法を用いた。(1)サイズ依存性。身長あるいは長骨(大腿骨など)の最大長との間で回帰分析を行って、スケーリングの効果について検討した。(2)性差。計測項目間の性差を分散分析により検討して、特にヒト化に伴う機能的要求や女性骨盤の機能との関連で考察を加えた。(3)図形力学。股関節の回転中心を原点として、骨盤を含む自由物体図の静的な釣り合い(平衡)を想定するとき、股関節まわりのモーメント腕の長さが重視されてきた。得られたデータのうち、力学的な意味を持ち得る項目について、相関分析を行った。(4)FEM。今回得られた形状データとCTデータを組み合わせて行うモデリングにおいて、その前提となる諸問題の多くが解決された。
|