2004 Fiscal Year Annual Research Report
γグルタミルシステイン合成酵素の基質特異性に関する構造生物学的研究
Project/Area Number |
15580095
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
小田 順一 福井県立大学, 生物資源学研究科, 教授 (50027041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日び 隆雄 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (00285181)
黒川 洋一 福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (40326088)
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Keywords | グルタチオン / 阻害剤 / 薬剤分子設計 / 構造変化 / 基質認識 / 遷移状態アナログ |
Research Abstract |
γ-グルタミルシステイン合成酵素の特異的阻害剤として古くから知られるBSOとの複合体について、2.3Å分解能における結晶構造を決定した。 ATP共存下における反応によりBSOを結合させた複合体を結晶化に用いた。SPring-8ビームラインBL38B2においてX線回折強度測定を行い解析した結果、本結晶の空間群はP2_1、格子定数a=70.5,b=97.6,c=102.2Å,β=102.7°であった。初期位相は分子置換法により得られ、最終的にR_<cryst>=21%,R_<free>=24%のモデルを得た。 BSOでは、システインのα-カルボキシル基に相当する官能基が無いのにもかかわらず、Tyr-241の側鎖はターンしてGln-144と水素結合しうることが分かった。一方、Tyr-300は、側鎖に対応するような電子密度ピークは認められず、一定のコンフォメーションを取っていないものと考えられた。これは、水素結合triad形成による安定化が得られなくなったのと同時に、Tyr-241側鎖のターンにより、π-πスタッキングによる安定化がなくなり、側鎖の自由回転が許容されたためではないかと思われた。このように、BSOでは水素結合triadの形成ができないことが明らかとなり、これがBSOの酵素への親和性が遷移状態アナログに比べて低下している理由と考えられた。従って、中央variable arm及びシステイン結合部位のコンフォメーション変化と水素結合triadの形成を制御することが本酵素の阻害剤設計に重要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)