2003 Fiscal Year Annual Research Report
フュージョンセンサによる魚類鮮度評価システムの開発
Project/Area Number |
15580184
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大熊 廣一 東洋大学, 生命科学部, 教授 (30297733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 悦生 東京海洋大学, 水産学研究科, 教授 (00017055)
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Keywords | バイオセンサ / 半導体型ニオイセンサ / スクリーン印刷電極 / 魚類鮮度 / K値 / 酵素センサ / 一般生菌数 |
Research Abstract |
魚の鮮度の客観的な鮮度判定法としてK値、VBN,トリメチルアミン,ポリアミンなどが提案されているが、魚介類は種類が多く鮮度低下が複雑多岐にわたることからひとつの特定の方法で鮮度判定をすることは無理がある。そこで、従来個々の指標で評価していた鮮度判定をバイオセンサにより集積化して、1つのシステム内で実現し個々の指標の弱点を補うとともに得られたデータを総合的に判断して、魚介類の新しい鮮度判定指標を確立する。本年度は、その第一歩としてセンサの集積化を目的とし、大量、安価に生産できるスクリーン印刷電極によりK値計測用バイオセンサを作製し、簡便な測定システムを確立するとともに半導体ガスセンサを用いて腐敗臭と鮮度、生菌数の関係を検討し、バイオセンサとニオイセンサのフュージョン化における基礎的検討を行った。 PET基板上にスクリーン印刷技術により銀リード、カーボン電極、銀/塩化銀電極を印刷して電極を作製した。この電極上に吸水性高分子(0.5%CMC)を用いて、電子メディエータ(フェリシアン化カリウム)、酵素を担持し、電極反応部を作製した。これを積層化し、上部センサには酵素としてXOD(キサンチンオキシダーゼ)NP(ヌクレオシドホスホリラーゼ)、下部センサにはAP(アルカリホスファターゼ)、XOD、NPを固定化し、ディスポーザブル型K値センサを構築した。本方法により積層化したセンサで6種類、30検体の魚・鶏肉試料を測定したところ、バイオセンサ法とHPLC法において、良好な相関が認められ、分析時間は5分であった。このバイオセンサは、冷凍乾燥下100日以上安定に動作した。またニオイセンサには応答感度の異なる素子として、金属酸化物半導体のSnO_2、応答感度の異なる2種類のZnOを使用し、主な魚臭成分として代表的なトリメチルアミン、ジメチルアミン、他5種類の標準試料を用いて、その応答感度を評価した。さらに、5℃に貯蔵したマグロ、アジ等を用いてニオイセンサ応答とK値、一般生菌数の関係を求めたところ良好な相関を示し、特にニオイセンサにより一般生菌数が推定できることが示唆された。
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