2004 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン計測による食品の過酸化生成物と抗酸化物の迅速評価方法の開発
Project/Area Number |
15580219
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
齋藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (50221990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 徹 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30089932)
大谷 敏郎 食品総合研究所, 食品工学部, 室長 (70353969)
萩原 昌司 食品総合研究所, 食品工学部, 研究員 (00353970)
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Keywords | フォトン / XYZ / 微弱発光 / 過酸化性 / 抗酸化性 / 食品 / 機能性 |
Research Abstract |
前年度までに得られた最適計測条件下で、過酸化物・抗酸化物と発光量との相関および定量性の評価を行った。モデル食品には、食品の需要の高さと応用性の見地から過酸化生成物には「コメ」を、抗酸化物質には「ポリフェノール含有飲料」を選択した。コメを粉砕した試料での発光曲線は、基準発光(3種類の標準試薬での発光)と同様の曲線を描き、数十秒で急激に増大し、最大値を迎えた後急激に減少しその後200秒程度から再度緩やかに増加する形態をとった。 コメの品質には糠層の劣化が関与おり、既存の手法では脂肪酸度を指標としている。そこでも精米歩合を10段階に設定し糠槽の割合を変化させた試料を用いて、脂肪酸度とX発光との相関を調べた。その結果、両者には強い相関が認められた。また、発光曲線の代表値としては、最大発光量より発光開始から極小値までの積算値が適性が若干高かった。いずれにしても、僅か150秒余りで1サンプルの計測が終了でき、迅速性に優れた計測法と言えた。 抗酸化性について、茶飲料とワインを試料に用いた。ポリフェノールの標準物質にはエピガロカテキンガレードを主成分とする食品添加物を用いた。標準物質の発光曲線は標準的であり、ポリフェノール濃度と相関が高かった。この回帰式を基に、市販茶飲料を試料にして計測したところ、推測値と実測値は非常に近く、高い適合性が認められた。さらに、ワインへの回帰式の応用を試みたところ、最大発光量では、ずれが大きいが、積算した発光量では推測が可能であることがわかった。これより未知試料への適応には、発光曲線の形状を最初につかみ、最大値が収束するまでの積算時間をパラメーターとすることが望ましいと考えられた。
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