2004 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体を用いた生体高分子系材料のナノ構造制御とバイオマス有効活用への応用
Project/Area Number |
15580302
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Research Institution | Niigata University of Pharmacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
藤井 智幸 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (40228953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 正道 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (50018339)
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Keywords | 超臨界流体 / 亜臨界水 / バイオマス / 高圧熱水処理 / オリゴ糖 |
Research Abstract |
水は通常水素イオンと水酸イオンに乖離しており、常温常圧においても弱酸あるいは弱アルカリとして振舞う。超臨界水や高圧熱水においては、水のイオン積が増加し、水素イオンあるいは水酸イオンによる加水分解作用が顕著となる。水の加水分解作用を利用してバイオマスの有効活用を図る場合には、バイオマスを再利用可能な状態の素材に変換する必要があるが、温度・圧力の条件によっては分解反応が進みすぎて再利用できない状態になってしまう。 昨年度高圧処理の可能なバッチ式超臨界水処理システムを用いて高圧熱水処理を試みたが、本年度では、より安定的に反応系を制御できる連続式の処理システムを構築した。試料溶液を昇圧ポンプに導入し恒温槽内に装着したステンレスパイプへ送液する形式とした。圧力は背圧調節弁によって保持した。反応はステンレスパイプ内で進行し、背圧調節弁から連続的に排出される反応液をサンプリングした。代表的な生体高分子系材料である可溶性デンプンを試料とし、25MPaで高圧熱水処理を施したところ、140℃の条件では、若干の還元糖濃度の上昇が認められた程度であったのに対し、180℃の条件では、顕著に還元糖濃度が上昇した。このことから、高温高圧条件での反応を活用することによって、生物学的に再利用可能な状態のバイオマス分解物を得ることができることが確認された。
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Research Products
(3 results)