2004 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性インドールアルカロイドの共通全合成法の開拓と独自のリードの創造研究
Project/Area Number |
15590002
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
染井 正徳 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20110546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 文夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80135087)
山田 康司 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (80272962)
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Keywords | 1-ヒドロキシトリプトファン / 1-ヒドロキシインドール / ビスピロロ[2,3-b]インドール / 2位置換インドール / 1-ヒドロキシメラトニン / 求核置換反応 / 求電子置換反応 |
Research Abstract |
世界で初めての1-ヒドロキシインドールの化学という、新規な学問領域を確立することに成功した我々は、活発にその展開研究を進展中であり、下記の成果を挙げた。日本発の独創的研究であり、昨年までの成果は、米欧、国内を問わず多数の他の研究者により利用されている。しかし、公正に我々を引用する研究者が、米欧には少ない、ということに驚いている。 1.染井正徳分担:強力な抗がん作用を持ち,未だに合成されていないレプトシンアルカロイド合成のための、合目的的な新規反応を確立するために,新規な1-ヒドロキシトリプトファンの世界初の合成に成功した。本化合物の化学反応性を検討した結果、期待通り求核置換反応を起すという新事実を見出した。したがって、当初の目的達成のための基礎知見を確立できた。 2.山田文夫分担:画期的な新反応(1-ヒドロキシメラトニンの二量化反応)を発見し、標的アルカロイドの母核である3a,3a'-ビスピロロ[2,3-b]インドール骨格を1工程で形成するための最適条件を発見できた。得られたモデル基質を用いて、種々反応を試み、各種誘導体群の合成が可能であることを確認できた。さらに、分子内のメトキシ基の除去による天然物合成を試み、最終段階に到達した。 3.山田康司分担:1-ヒドロキシインドール化合物群の求電子置換反応を継続し、臭素化における新しい事実を多数発見することに成功した。また、6-ニトロ-1-ヒドロキシインドール-3-カルバルデヒドと、各種の求核試薬との反応を検討し、本化合物が例外なく、2位で高収率、高位置選択的に求核置換反応を起こすことを確認でき、従来法では合成困難であったタイプの2位置換インドール化合物群を容易に手中に出来る方法論の確立に成功した。この事実は、末広がりの予測される、新しいインドール研究分野の扉が開かれたことを意味する。
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Research Products
(2 results)