2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイ法による造血器腫瘍における遺伝子早期診断法の開発
Project/Area Number |
15590478
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Research Institution | Department of Laboratory Scinece, School of Health Science, Faculty of Medicine, Kyoto University |
Principal Investigator |
舩渡 忠男 京都大学, 医学部, 教授 (70165455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀岡 淳一 東北大学, 医学系研究科, 助教授 (30261621)
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Keywords | 造血器腫瘍 / DNAチップ / cDNAマイクロアレイ / 遺伝子診断 / 微小残存病変 / 薬剤耐性遺伝子 |
Research Abstract |
造血器腫瘍の診断は、従来の形態学的検査に加え、染色体分析検査・表面抗原同定マーカー検査に遺伝子検査等を駆使する必要がある。急性白血病は依然としてpoor riskのため、早期診断法による早期発見と予後を規定する因子の同定が望まれている。一方、近年の遺伝子解析技術の進歩は著しく、中でもDNAチップとしてのcDNAマイクロアレイ技術は遺伝子発現の有無を網羅的に解析するのに最適である。本研究は、このcDNAマイクロアレイ法に着目し、白血病に特異的に出現するキメラ遺伝子および予後遺伝子を統合して早期に診断しうる方法を開発して、確立することを目的とした。早期診断として簡易型のcDNAマイクロアレイを開発することを目指し、種々の核酸固定技術を検討した結果、ポリカルボイミド樹脂処理がオリゴを固定化するには至適であることが明らかとした。この樹脂を処理したスライドは、DNAオリゴマーを共有結合させることによって固定した。さらに、簡易検出としてアビジン・ビオチン複合体を採用したところ、発色基質を用いることで結果を目視化することが可能となり、専用の測定装置がなくとも結果の判定が容易であった。したがって、この固定化技術と簡易検出を組み合わせたcDNAマイクロアレイ法はキメラ遺伝子を肉眼的に直接判定することを可能とした。本法の精度を検定した結果、精度および特異性が高く、日常診療に導入しうる要件を十分に満たしていると考えられた。とくに、本法は微量裁量から各遺伝子発現を高効率に迅速に検出しうるRNA増幅法による検出系であることが特徴とされる。白血病における数種のキメラ遺伝子を網羅的にプロファイルしスクリーニングする系はこれまでなく、早期診断だけでなく、経過中での微小残存病変(MRD)ならびに薬剤耐性関連遺伝子検出にも応用可能である。
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