2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機スズ化合物の脳・神経系に対する発達毒性の評価に関わる実験的研究
Project/Area Number |
15590516
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
角田 正史 北里大学, 医学部, 助教授 (00271221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敏彦 北里大学, 医学部, 助教授 (10225972)
工藤 雄一朗 北里大学, 医学部, 助手 (60348505)
紺野 信弘 郡山女子大学短期大学部, 教授 (10045784)
小西 良子 国立医薬品, 食品衛生研究所, 室長 (10195761)
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Keywords | トリブチルスズ / マウス / 発達神経毒性 / ドーパミン / ドーパミン代謝 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の妊娠マウスに投与を行った二世代実験の研究で示唆された、トリブチルスズ(TBT)化合物のメスマウスにおける神経伝達物質への影響について検討した。発達期のメスのBALB/cマウスの各群に1月間、塩化TBTを0,25,50,125,250ppm混ぜた餌を自由に摂取させた。投与終了後、脳を採取、分割し、脳内各部位(大脳、小脳、延髄、中脳、線条体、下垂体)中の神経伝達物質及びその代謝産物を高速液体クロマトグラフィーで測定した。250ppm投与群では体重及び脾臓の相対重量の顕著な減少が見られた。ドーパミン(DA)とDAの代謝産物、homovanillic acid(HVA)についてHVA/DAが、延髄と中脳で250ppm群で平均値が対照群に比べ有意に上昇し、下垂体でも250ppm群の平均値は高値であった。以上により、TBTはDA代謝に影響することが示唆された。これは本年度にまとめ終わったオスの結果と一致しており、性差があるとは言えなかった。 また二世代曝露実験として、妊娠したWistar系ラットに、餌に塩化TBTを0,50,125ppm混ぜて自由に摂取させ、生まれた仔ラットを1週令、2週令、3週令で処理し、大脳及び中脳からRNAを抽出した。抽出したRNAについて、オリゴヌクレオチドマイクロアレイの手法を用いて遺伝子変化の検討を行っている。 更に以上の実験で得たサンプルを利用し、免疫系への影響についても検討を行い、神経系との関連を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Effect of lactational exposure to Tributyltin chloride on natural immunodefenses in the F1 generation in mice
Author(s)
Kimura, K., Kobayashi, K., Naito, H., Suzuki, Y., Sugita-Konishi, Y.
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Journal Title
Bioscience, Biotechnology and Biochemistry (In press)