2003 Fiscal Year Annual Research Report
種々の生活パターンにおける血圧・体温など生体諸変数の日内変動に関する研究III
Project/Area Number |
15590550
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上園 慶子 九州大学, 健康科学センター, 教授 (00168618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福盛 英明 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (40304844)
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (10325483)
丸山 徹 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (50229621)
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Keywords | 睡眠覚醒リズム / 日内リズム / スケージュールシフト / 血圧 / 体温(口内温) / コーチゾール / 自覚的気分 / 性格 |
Research Abstract |
現代のように夜間でも照度や心身の活動量が昼間と変わらず多い場合や、海外旅行やシフト勤務などで強制的に睡眠-覚醒のパターンを偏位させた場合には、"不眠症"や"体調不良"などの不定愁訴が出現しやすいと報告されている。 平成8年および11年、健常な若年者を対象として、睡眠-覚醒のパターンを通常の睡眠時間から、断眠(一晩中眠らない)、その後、睡眠時刻を12時間シフトさせ、生体諸変数の日内リズムに現れる変化を検討した。頂点の時刻が急速に変位し、1日で新時制に一致する変数や、1日に数時間ずつしか偏位しない変数まで、種々の変動が混在し、項目間の同調は失われた。またシフトに対する反応の速度や型は個人差が大きい事を報告してきた。 睡眠-覚醒のパターンを12時間シフトすることによって生体諸変数の日内リズムに現れる変化の個人差を検討するために、対象数を集積することを目指して、今年度も同様のプロトコールを実施した。 対象は健康な若年成人志願者、男子10名女子4名であった。 生体リズムに影響を及ぼす環境因子や食事などの生活行動を一定化し、就床時間を1日目は通常00:00〜07:00、2日目は断眠、3日目は睡眠時刻を12時間シフトさせた。起床中、体位と行動の自己記録を続け、血圧・脈拍は携帯型自動装置を用いて15分毎に、口内温は1時間毎、自他覚症状と体重は概ね3時間毎にチェックした。滞在中12回の血液採取と22回の分割蓄尿を行った。心拍変動から算出した自律神経機能検査も行った。72時間の施設内実験の前後に2週間ずつライフコーダによる生活習慣記録も行った。 現在は各種測定データの入力をし、血液および尿検体の生化学的・内分泌学的変数を測定している段階である。来年度は結果の入力が終わり次第、順次リズム分析を開始する予定である。また今回はリズム特性の変化に及ぼす性別の影響も検討する。
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