2005 Fiscal Year Annual Research Report
種々の生活パターンにおける血圧・体温など生体諸変数の日内変動に関する研究III
Project/Area Number |
15590550
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上園 慶子 九州大学, 健康科学センター, 教授 (00168618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 徹 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (50229621)
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (10325483)
福盛 英明 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (40304844)
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Keywords | 睡眠覚醒リズム / 日内リズム / スケジュールシフト / 血圧 / 体温(口内温) / コーチゾール / 自覚的気分 / 性格 |
Research Abstract |
睡眠-覚醒のパターンを夜間就眠・徹夜・昼間就眠とシフトさせた時、生体変数のリズム特性におこる変化を検討している。環境因子や生活行動を標準化し、体温・体重・血圧・脈拍などの生理的変数や、各種物質の血中濃度と尿中排泄量を連続的に時系列で測定した。前回までに男子大学生16名の結果を集積している。項目により固有のリズムを保つもの、睡眠のシフトや付随する食事摂取の量・時間変化に影響されるものなど様々であること、同じ項目でも血中濃度と尿中排泄量との間には乖離がみられること、また新時制への移行速度は個人差が大きいことを報告している。 今回はリズム特性の変化に及ぼす性別の影響を検討するため、女子学生4名を含め合計14名被験者を測定した。各項目のリズム補正平均値一日排泄量には有意の性差を認めたが変動パターン・頂点位相は性差を認めなかった。今後、女性の例数を蓄積する予定である。 今回新たに測定した、生体の日内リズムの指標であるメラトニンの尿中排泄量は、健常人において夜間に増加する変動パターンを示し、急性の睡眠パターンシフトでは巨視的には僅かずつしか変化しないことを検出した。リズム分析では僅かながら有意の偏位を示し、コーチゾールの偏位と同様であった。 男女大学生を対象に春季〜夏季にかけて3〜4週間の生活時間記録を蓄積してきたが、今回は約70余名につき冬季の生活習慣を記録した。平日の生活パターンは春季・冬季とも変化がなく、授業による時制によって、生活パターンが標準化されたためと考えられた。休日の起床時刻は春季〜夏季が1時間程度の遅れに対して、冬季ではより遅れる傾向を認めた。食事・就床時刻には季節によって差がなかった。今後は性別や身体活動量の多寡を考慮した分析を行う予定である。
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