2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化管-膵島枢軸の成立機序:胃内腔栄養素に対する神経性感知機構
Project/Area Number |
15590630
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中林 肇 金沢大学, 保健管理センター, 教授 (20019988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 淳 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70262574)
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Keywords | 胃内腔 / 迷走神経 / 神経化学的認識機構 / 栄養素 / グルコース / 消化管-膵島枢軸 |
Research Abstract |
本研究は従来,脳相と腸相に分別して理解されていた栄養素経口摂取時のインスリン分泌について,今まで知られていない,腸管吸収前の栄養素の胃内存在自体に対する神経性感知の観点から,消化管-膵島枢軸(enteroinsular axis)の一部を明らかにするものである. 本年度は,神経性胃膵島連関を電気生理学的に検討し,その生理学的存在意義を明らかにしようとした.即ち,胃内腔粘膜側でのグルコース接触と胃静脈側へのグルコース出現のいずれに神経性グルコース認識の主体があるかを,胃粘膜グルコース塗布又は胃内注入時と胃静脈系グルコース(G)注入時の迷走神経胃枝の求心性電気活動を測定した. urethane・α-chloralose麻酔ラットを用い,既報の方法で迷走神経胃枝求心性電気活動を測定した. 胃大湾側の静脈系周辺の奬膜下に各種濃度のG液を注入時の求心性活動は,2.5%および5.0%液では明らかに減少した.しかし,当初の計画にあった,我々の以前のイヌ胃内注入に用いた10.0%液を想定した実験では,このような奬膜下注入により(浸透圧の関与と思われるが)求心性活動はわずかの減少傾向をみるのみであった.現在,奬膜下に各種濃度のG液注入時の迷走神経膵臓枝の遠心性電気活動を検討中である. 一方,胃内グルコース液注入時の迷走神経胃枝の求心性電気活動については,胃伸展性求心性活動の関与も否定できない成績を得ている.したがって,胃粘膜グルコース塗布法の手技をも含め,現在さらに実験中である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nakagawa A, Satake H, Nakabayashi H, et al.: "Receptor gene expression of glucagon-like peptide-1, but not GIF, in rat nodose ganglion cells"Auton Neurosci. : Bas.Clin.. 110. 36-41 (2004)