2004 Fiscal Year Annual Research Report
NNKによる肝癌発症ラットをモデルとした脱メチル化による発癌抑制および抗癌作用
Project/Area Number |
15590667
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10305229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博幸 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40332910)
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Keywords | メチル化 / NNKラット / DNAアレイ / 肝癌 / 脱メチル化剤 |
Research Abstract |
1.NNK(tobacco-specific nitrosamine 4-methylnitrosamino-1-(3-pyridyl)-1-butanoneによる肝癌の作成 Fischer344ラットを用い、NNK(50mg/kg)を週3回投与し、ラット肝癌を作成した。 2.NNKラット肝癌組織における癌関連遺伝子のDNAアレイ解析 NNK投与により作成したラット肝癌組織における癌関連遺伝子のmRNAレベルでの発現の変化を検討した。結果の一部を示すと、p16、APC、COX-2、E-cadherin、GSTP1、hMLH1、RASSF1A、MINT1などのmRNAの発現低下が認められた。 3.NNKラット肝癌組織における癌関連遺伝子のメチル化 これらの発現低下を認めた遺伝子について、MSP法を用い、メチル化の有無を検討した。結果はp16およびE-cadherinのメチル化を認めたのみであった。 4.ラット肝癌に対する脱メチル化剤による抗癌効果 脱メチル化剤による肝発癌抑制効果の検討では、NNKを投与開始し、これと同時に脱メチル化剤5-aza-2'deoxycytidine(1mg/kg)を週1回腹腔内に投与し、NNKによる肝発癌が抑制されるか否かの検討を行なったが、発癌抑制効果は認められなかった。また、脱メチル化剤投与の有無による癌関連遺伝子の変化についてDNAアレイで解析を行ったが、脱メチル化剤の投与の有無による有意な相違は見い出せなかった。また、NNKによって作成された肝癌において認められたp16およびE-cadherinの遺伝子のメチル化に対する影響をMSP法により検討したが、いずれの遺伝子においてもメチル化は認められ、脱メチル化剤の効果は認められなかった。一方、脱メチル化剤によると思われる臓器障害は組織学的には認められなかった。
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