2003 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞と癌細胞の融合細胞ワクチンを改良した新しい癌免疫細胞ワクチンの開発
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15590693
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小井戸 薫雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70266617)
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Keywords | 樹状細胞 / 大腸癌 / 融合細胞 / 癌免疫ワクチン / MUC1 / CEA / IFN-γ / tetramer |
Research Abstract |
転移性大腸癌7例(肝転移4例、リンパ節転移2例、肺転移1例)の手術材料より倫理委員会承認後、同意書を得た症例から、癌細胞の初代培養をおこなった。また、これらの症例の自己末梢血より樹状細胞をGM-CSFとIL-4に全例、誘導することができた。これらの自己癌細胞と樹状細胞を50%PEGにて融合することに成功した。融合細胞は癌細胞由来の腫瘍抗原(CEA及びMUC1)と樹状細胞由来の,costimulatory moleculeであるB7.1やB7.2、更にMHC class IIの発現をFACSにて確認することができた。またこの融合細胞は自己のT cellを刺激することができた。しかも、そのT cellは自己の癌細胞とHLAが部分的に一致し(HLA-A2またはHLA-A24陽性)、共通の腫瘍抗原(CEAまたはMUC1)を有しているallogeneic tumor cellをlysisすることができた。また、これらのCTL活性はMHC class I抗体によりブロックすることができたことより、これらのCTL活性はclass I restrictiveで腫瘍抗原特異的なものと考えられた。重要なことに、これらのCD4とCD8 T cellはIFN-γを高レベルで分泌しており、融合細胞によりCD4とCD8を共に刺激することができた。さらにtetramerassay法にて腫瘍抗原特異的なCD8 T cellを確認することができた。以上より、転移性大腸癌において、癌細胞と樹状細胞を用いた融合細胞は自己CD4とCD8 T cellを刺激し、MHC class I restrictiveで腫瘍抗原特異的なCTL活性を誘導することができた。
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