2004 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞と癌細胞の融合細胞ワクチンを改良した新しい癌免疫細胞ワクチンの開発
Project/Area Number |
15590693
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小井戸 薫雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70266617)
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Keywords | 樹状細胞 / 大腸癌 / 融合細胞 / CTL / IFN-γ / tetramer / MHC / ワクチン |
Research Abstract |
樹状細胞と大腸癌11例(肝転移6例、リンパ節転移2例、肺転移1例、原発2例)を倫理委員会通過後に患者本人の同意承諾の上、その融合細胞を50%PEGにて作製した。融合細胞はDC由来のCD80,86,83や腫瘍細胞由来のMUC1やCEAの発現が認められた。融合効率は約30%であった。この融合細胞にて刺激された自己T cellはCD4とCD8が共に刺激された。特にCD4 T cellの増殖が認められた。またCD4,CD8からIFN-γの産生が認められた。この産生は融合細胞をClass IやClass II処理することで抑制されることよりClass IとII restrictiveなIFN-γの産生と考えられた。またIL-10の産生も少なからずCD4とCD8 T cellから認められた。融合細胞で刺激されたCD8 T cellからはCEAやMUC1にたいするtetramer陽性細胞が認められたことより、腫瘍抗原特異的なCTLが誘導されたと考えられた。このことは自己の癌細胞や共通した腫瘍抗原やHLAが一部一致しているsemi-allogeneic tumorに対してもCTL活性が認められたことから、同様の考察が得られた。さらにCTLはtargetをClass IやHLA-A2等で処理することにより抑制されることより、class I restrictiveで,更に主要抗原特異的なCTL活性が融合細胞で誘導されることがわかった。今回用いた癌細胞は癌細胞株でなく新鮮分離細胞であることより、培養初期の段階の癌細胞でも樹状細胞と融合でき、CTL活性を誘導することができることから、大腸癌の肝転移予防としてこのワクチンの可能性が示唆された。
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