2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血再灌流障害時冠微小循環の解明と治療戦略-レーザー共焦点顕微鏡を用いた三次元画像による検討-
Project/Area Number |
15590779
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
渡邉 望 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60319960)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
赤阪 隆史 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70322584)
藤本 勝邦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (80106351)
|
Keywords | 心筋虚血 / 再灌流障害 / ニコランジル |
Research Abstract |
本研究では、心筋虚血再灌流モデルの冠微小血管(毛細血管)を直接観察してその形態学的異常を検討して、心筋再灌流障害時の微小血管障害を視覚的かつ定量的に評価し、さらに各種心筋保護薬の冠微小循環に対する効果を判定することを目的とした。 本年度はとくに、臨床的に虚血再灌流後の心筋障害に対して用いられているK_<ATP>チャネルオープナー、ニコランジルの効果を定量的に判定し評価することを目的とした。拍動心(麻酔下開胸にて)の左前下行枝を結索、7分間虚血の後3分間再灌流させた。虚血開始時よりニコランジルまたは生食を持続静注した2群間で検討した。虚血時及び再灌流後にコントラストによる染色を行い、灌流状態を評価し、染色不良のものをno-reflowとした。摘出した心臓の全毛細血管床に造影剤を注入しサンプルを作成、共焦点レーザー走査式顕微鏡にて毛細血管床の形態を3次元的に観察し、毛細血管容量比を算出した。結果、ニコランジル投与群ではno-reflowの割合が20%と、対照の43%と比較し小さく、毛細血管容量比はニコランジル投与群で28.8%と、対照の17.7%に対して高値であった。ニコランジル投与が、心筋内微小循環改善するメカニズムにせまることができた。
|
Research Products
(1 results)