2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591049
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 彰 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30272553)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 正雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10302704)
|
Keywords | アレルギー / 好塩基球 / 好酸球 / IL-3 / IL-5 / GM-CSF |
Research Abstract |
(1)健常人より、好塩基球、好酸球を99%以上に純化し、IL-3R、IL-5R、GM-CSFRαの発現を検討した。mRNAの発現量は好塩基球ではIL-3Rα>IL-5Rα>GM-CSFRα、好酸球では、IL-5Rα【greater than or equal】GM-CSFRα>IL-3Rαの順であった。好塩基球は好酸球に比べ約100倍のIL-3RαmRNAを発現していた。好塩基球の脱顆粒、CDl1b発現、アポトーシス抑制、また好酸球のCDl1b発現、アポトーシス抑制に対するリガンドの作用強度は、受容体α鎖mRNAの発現量と平行していた。 しかしながら、好塩基球刺激24時間後のCD69発現は、発現量に平行せず、IL-3のみが選択的に誘導し、好酸球CD69発現もIL-3が最も強力に誘導した。その原因としては、受容体のリガンドによる刺激により、受容体の発現レベルが変化した可能性が考えられた。好酸球のIL-5Rα、GM-CSFRαの表面発現は、各々のリガンド刺激で著明に減少したが、IL-3による刺激は、IL-3Rαの発現に影響せず却って増加を誘導した。また、IL-5、GM-CSFによる刺激もIL-3Rα発現を著明に増強した。これらの増強はmRNAレベルでも認められた。以上の結果は長期間の増殖因子の刺激により受容体の発現量が変化し、IR-3Rαの発現が好酸球においても最大になる可能性を示した。近年、欧米での臨床治験で抗IL-5抗体が喘息に対し臨床効果を示さなかったことが判明し話題となったが、本研究の結果は、好酸球が組織中でIL-5の作用を受けにくい方向に変質していく可能性を示唆している点で重要と考えられる。 (3)好塩基球の血管内皮間隙遊走(transendothelial migration)初めて検討した。IL-3が血管内皮間隙遊走に対しても作用し増強することを見出した。
|
Research Products
(2 results)