2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591209
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 千裕 東北大学, 病院, 講師 (60292330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90302091)
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Keywords | フェンサイクリジン / 統合失調症 / トランススレチン / SAGE / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
Serial analysis of gene expression(SAGE)法を用いて、PCP(10mg/kg)投与ラットの大脳皮質で優位に発現増加が認められたtransthyretin(TTR)遺伝子多型について、日本人の統合失調症患者70名(男性33名、女性37名、平均年齢64.5±9.2歳)と健常者101名(男性23名、女性78名、平均年齢37.4±15.0歳)を対象にした関連研究を行った。TTR遺伝子のpromoter領域(5'-UTRより約1.5k上流まで)および4つのすべてのexon領域の計5領域を解析対象領域とした。また、多型解析方法はdirect sequence法で、各群2サンプル以上でRFLPまたは裏側からのdirect sequence法で解析結果の再確認を行った。 TTRは、約40%が血中のレチノール結合タンパクと結合してビタミンAの輸送をし、約1%が血中の甲状腺ホルモン脳内に輸送する働きをもつ肝臓や脳の脈絡叢で合成されるタンパク質といわれている。またTTR遺伝子は18q12.1の染色体領域に存在し、遺伝子領域内のミスセンス変異は家族性アミロイドポリニューロパチー(val30met)や老人性全身アミロイドーシス(val122ile)などの原因となることが知られている。今回の結果では残念ながら統合失調症とTTR遺伝子の関連は認められなかったものの、6つの新規SNP、2つの新規マイクロサテライト多型、および1つの新規9bp欠失を発見することができた。
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