2003 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス負荷時の中枢神経系のバゾプレッシン1b・α1アドレナリン受容体の機能解明
Project/Area Number |
15591233
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
石塚 雄太 宮崎大学, 医学部, 講師 (20264377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 博史 宮崎大学, 医学部, 助手 (20344848)
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
河南 洋 宮崎大学, 医学部, 教授 (00049058)
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Keywords | アドレナリン受容体 / α1b / α1d / ノックアウトマウス / Y字型迷路 / 自発的交替行動率 |
Research Abstract |
近年、α1-アドレナリン受容体(AR)は、学習・記憶に深く関与することが報告されている(Sirvio et al.,1994)。α1-ARには、3つのサブタイプ(α1a,α1b,α1d)が分子クローニングによって同定されている(Lomasney et al.,1991)が、サブタイプの脳内における機能差については十分に明らかにされていない。作業記憶におけるα1-ARのそれぞれのサブタイプの役割を検討するため、α1b-ARノックアウト(KO)、α1bd-ARダブルKOマウスを用い、Y字型迷路における自発的交替行動法により検討した。実験は、宮崎大学動物実験委員会の承認を得て行った。被験体には、国立成育医療センター薬剤治療研究部分子薬理研究室より供与された野生型マウス(wild)、α1b-ARKOマウス(α1b-KO)、α1bd-ARダブルKOマウス(α1bd-KO)の3種の12週齢の雄性マウスを用いた。マウスを一匹ずつ廊下式Y字型迷路の中央部にいれ、3つのアームへ出入りする様子を10分間観察した。空間的作業記憶を評価する指標として自発的交替行動率を算出した。また、各マウスの総移動距離、総活動時間などを計測した。α1b-KOの自発的交替行動率が、wildおよびα1bd-KOよりも有意に高かったことから、野生型マウスよりα1b-ARKOマウスにおいて作業記憶がよく保持されていた可能性が示唆された。一方、総移動距離、総活動時間等においては、wild、α1b-KO、α1bd-KOの3つの群間に有意な差はなかったことから、本課題の遂行におけるα1b-ARKO、α1bd-ARダブルKOマウスの一般活動性は野生型マウスの水準と異ならないことが示唆された。
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