2003 Fiscal Year Annual Research Report
深部静脈血栓症による肺塞栓症における超音波ドプラを用いた静脈内塞栓検出法の開発
Project/Area Number |
15591332
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
廣川 雅之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00315011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70280964)
岩井 武尚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90111591)
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Keywords | 肺塞栓症 / 深部静脈血栓症 / 塞栓子 / 静脈 / HITS / 診断 / ドプラ検査 |
Research Abstract |
平成15年度はブタによる肺塞栓症発生モデルの確立と静脈系におけるhigh intensity transient signals (HITS)測定条件の確立のために去勢ブタを用いて基礎的実験を行った.全身麻酔下にブタの右内腸骨静脈から2種類の大きさの血栓を注入し塞栓子検出ドプラ装置(Nicolet Biomedical社製)を用いて下大静脈にサンプルボリュームを合わせて塞栓子を検出し,静脈内での塞栓子検出の条件およびその特性を検討した.また実験終了時にブタを犠死せしめ肺組織を採取し,病理組織学的検索を行った. 実験結果は5×5mmの血栓10個はHITSとして検出されなかったが、5×10mmの血栓は25個中16個がHITSとして検出されdB値は19.0±4.2 dB (11-27dB)であった.5×10mmの血栓注入時に桂皮酸素分圧の低下は認められず,臨床的に有意な血栓よりも小さい血栓が検出可能であると考えられた。5×5mmの血栓が検出されなかったのは,静脈系では動脈系と異なり血流が定常流に近いためS/N比が極めて低くなったためと考えられた.また病理組織学的検索では肺動脈内に血栓の存在を認め,肺塞栓症モデルの確立を確認した. さらに臨床応用への第一歩として十分にインフォームドコンセントを行った下肢深部静脈血栓症による慢性期肺塞栓症患者において塞栓子の検出を行い,HITSが検出可能であった.動物実験では下大静脈で検出を行ったが,臨床例では静脈の深度や固定性から総大腿静脈付近が適切な測定部位であると考えられた。 今後はさらに臨床経験を重ねて深部静脈血栓症にともなう肺塞栓症の病態解明に発展させていく予定である.
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