2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインの遺伝子多型性と肝移植後の拒絶反応。免疫寛容との関連性の解明
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15591350
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
阿曽沼 克弘 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (40202626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50193628)
岡島 英明 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (20308604)
上野 美佳子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (90363530)
小柴 貴明 京都大学, 医学研究部, 研究員常勤形態 (60362521)
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Keywords | 生体肝移植 / 免疫寛容 / サイトカイン / SNP |
Research Abstract |
当科および京都大学移植外科にて、生体肝移植を施行した患者から採取した血液より抽出したゲノムDNAを検体として、サイトカイン遺伝子のSNP (single nucleotide polymorphism)の有無と免疫寛容との関連について検討した。検索したサイトカイン遺伝子のSNPはIL10 position-1082/-819/-592、TNFα-308の4カ所で、polymerase chain reaction-sequence specifec primers (PCR-SSP)法で検出を行った。また、現時点で検索を行った患者数は、免疫抑制剤離脱群18名と非離脱群31名である。 現時点までの結果では、IL10 -1082/-819/-592については、離脱群、非離脱群ともにSNPはなく、差は認められなかったが、TNFα -308については、離脱群においてSNPが18例中5例に認められたのに対して、非離脱群では30例中1例も認められず、有意に離脱群での検出率が高かった。ただし、この結果は、以前の海外の論文の結果(TNFα -308は拒絶の起こりやすさと関連しているとするものが多い)と相反するものであるため、結果についての再検討が必要と考えている。 今後、IL2 -330、IL6 -174、IFN_+874、IL4 -590の4カ所を始めとする他のサイトカイン遺伝子のSNPについても検討をすすめていく。また、PCR-SSP法は簡便ではあるが、特異性にやや問題があるため、PCR-RFLP (restriction fragment length polymorphism)法、PCR-SSCP法などの他の方法で、結果の再確認を同時に行っていく予定である。
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