2004 Fiscal Year Annual Research Report
タクロリムス封入生分解性マイクロスフィアのラット小腸移植における局所免疫抑制効果
Project/Area Number |
15591355
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
宇野 武治 自治医科大学, 医学部, 助手 (60185056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原崎 秀雄 自治医科大学, 医学部, 教授
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Keywords | 生分解性ナノスフィア / タクロリムス / 経口投与 / 徐放性 / ポリ乳酸-グリコール酸共重合体 / ラット心移植 |
Research Abstract |
1 経口用ナノスフィアの調整 DL-lactide/glycolide copolymer(PLGA)によるタクロリムス封入生分解性ナノスフィアは、分子量20000のPLGAを使い、平均粒子径204nm,タクロリムス封入率4.02〜4.36%である。 2 ナノスフィアの血中濃度変化 LEW系ラットの雄、体重200gを使用し、ナノスフィア4.8mg/kg(タクロリムス含量)を経口投与して、血中濃度変化を測定した。市販のプログラフ4.8mg/kg(タクロリムス含量)と比較して、AUCの有意な高値と半減期の延長を認めた。 3 ナノスフィアの組織内濃度分布 同様に、LEW系ラットを用い、ナノスフィア4.8mg/kg(タクロリムス含量)と市販のプログラフ4.8mg/kg(タクロリムス含量)の経口投与24時間後の組織内濃度を脳、心、肺、肝、脾、腎、小腸、腸間膜リンパ節において比較した。しかし、両者に有意差を認めなかった。そのため、小腸移植モデルを取り止め、心移植モデルによるナノスフィアの免疫抑制効果を検討した。 4 ラット心移植モデルによるナノスフィアの免疫抑制効果 DA系ラットの雄、体重200gをドナー、LEW系ラットの雄、体重200gをレシピエントとして、レシピエントの頚部に異所性にグラフトを移植した。移植後グラフト生着日数により免疫抑制効果を検討した。ナノスフィア48mg/kg(タクロリムス含量)は、心移植後翌日から隔日投与で7回14日間経口投与した。一方、市販のプログラフ4.8mg/kg(タクロリムス含量)は心移植後翌日から連日投与で14日間経口投与した。両者に有意な生着日数の差を認めなかった。 5 まとめ 徐放効果に優れた新しい剤型のPLGAタクロリムス封入生分解性ナノスフィアは、従来の剤型に比べて、投与回数を減らすことが期待できる。
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