2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工心膜シートなどの被覆による左室容量負荷疾患における左室の拡張予防効果
Project/Area Number |
15591486
|
Research Institution | JICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三澤 吉雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (90209742)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 力 自治医科大学, 医学部, 講師 (40245048)
小西 宏明 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00281741)
|
Keywords | 拡張型心筋症 / 心膜シート / 左室容量負荷疾患 / 左室remodeling |
Research Abstract |
1.昨年と一昨年に引き続く基礎研究として、心拡張予防効果を得られかっ心拡張機能を障害しないNetのデザインを決定した。その概略をしめる。材料素材としてはゴアテックスを基本とし、厚さ1mmのゴアテックスシートで5mm幅のstripを作成し、3対のstripを放射状に縫合する。縫合部から2〜3cm,4-6cm(,6-9cm)の位置に縫合部を中心とする同心円状にゴアテックスstripにて放射状となった3対のstripを固定する。心臓への被覆の仕方を概説する。まずNetの中心部を心尖部に固定し,ついで左右房室間溝に対応する心膜部にNetを固定する。被覆の程度は拡張末期に合致させるが、左室前負荷や左室圧-容量曲線の関係を見ながら至適な被覆程度を判定する。現時点でこの至適な被覆程度は確定していない。このような材料の強度や耐久性については、実験動物とヒトとの違いがあるため、判断は必ずしも容易ではないが、ゴアテックス糸は僧帽弁形成術に用いられ、その長期的な耐久性や強度が確認されているため、十分臨床応用が可能と判断しているが,臨床応用には更なる安全性と有効性の確認が必要と考えている。 2.臨床では、特に左室拡大を来した僧帽弁閉鎖不全患者に対して、弁置換術に際し後尖をアコーディオンカーテン状に折り畳む事により、左室の容量減少効果(internal myocardial effect)を期待する術式を採用しているが、今年度は2例のみの経験で統計処理可能な症例数に至っていない。今後も症例を重ねて検討する予定である。また新たな左室形成術の開発にも目を向けたい。 一方、狭小弁輪患者に対する弁置換後の左室remodelingについて邦文誌上にEditorial commentを発表した。 3.3.その他、今年度の科学研究費補助課題には直接的な関係はないが、開心術後の縦隔炎についての論文と心臓腫瘍についての論文について国際誌上(いずれもAnn Thorac Surg)で討論した。
|