2003 Fiscal Year Annual Research Report
低リン血症性骨軟化症惹起腫瘍細胞株樹立とキャラクタリゼーション
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15591561
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽鳥 正仁 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (70208552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 光司 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10344665)
梅田 みか(渡辺 みか) 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20292344)
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Keywords | 腫瘍性骨軟化症 / 免疫染色 |
Research Abstract |
腫瘍性骨軟化症を呈する腫瘍は間葉系腫瘍が多い。上皮性や造血性腫瘍での報告もある間葉系腫瘍では組織型は多様であり組織診断に難渋することが多い。これまでの報告では血管外皮腫、血管腫、巨細胞腫、巨細胞修復性肉芽腫、非骨化性線維腫、骨芽細胞腫があり教科書的記載に一致しない非典型例が多い。原発腫瘍の組織学的検索を徹底的に行った。腫瘍は、弱好酸性の胞体を有する小型の類円形から紡錘型の細胞より構成されていた。間質が粘液腫状、軟骨様を呈する個所がみられた。Staghorn状の屈曲した血管の周囲に腫瘍細胞が増生した血管外皮腫様の個所も散見された。石灰化物様構造物もみられた。細胞密度は高く核の不整もみられた。細胞分裂も散見された。免疫染色ではVimentin(+)、CD34(-) CD31(-) HHF-35 一部(+) α-SMA 一部(+) S-100(-) Cytokeratin(-) (AE1/AE3) EMA(-) Ki67陽性率6〜7%に対して陽性であった。肺転移巣も血管周皮腫様の配列と好塩基性の石灰化様物質の沈着がめだち、原発腫瘍と同様の組織像を呈していた。臨床所見、組織所見より本例は、悪性phosphaturic mesenchymal tumorによる骨軟化症と確認された。腫瘍から産生される物質により腎尿細管のP再吸収抑制がおこり低P血症が生じるのが原因と考えられている。このPの排出を促進する物質はphosphatonin(fibroblast growth factor : FGF23)と考えられており本腫瘍での発現を遺伝子レベルで今後検索を行う。また、ヌードマウスに移植した腫瘍の発育は不良であるが、腫瘍移植後サクリファイスしたヌードマウスの組織学的検索も予定している。
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