2004 Fiscal Year Annual Research Report
CD15s抗原を利用した血液型不適合腎移植および異種移植の免疫抑制剤の調節
Project/Area Number |
15591717
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石田 英樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60246543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 一成 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (80188359)
宮本 直志 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50366332)
白川 浩希 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60263539)
東間 紘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90075549)
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Keywords | CD15S抗原 / 血液型不適合 / 腎移植 / 異種移植 / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
免疫抑制剤の進歩によって移植腎正着率が90%以上になる一方で、当科においても移植後一ヶ月以内の早期に移植腎を喪失するケースも相変わらず年間1-2名は経験する。こういった患者におこる拒絶反応は抗HLA抗体を介する液性拒絶反応が中心であると考えられている。今回の研究では2年にわたって容量を調節しながら末梢血中に残存するBリンパ球を解析し、また、手術時にとられた脾臓内のBリンパ球を免疫染色し、治療困難である高感作者に対する抑制剤の適応量を決定した。フローサイトメトリーではB細胞の数のみならず、活性を抗CD15s抗体をもちいることによって調べた。過去の研究では、休止期では発現しないCD15s抗原が活性期では賦活化するとわれわれは報告してきた。数量のみならず活性においても免疫抑制の状態を綿密にモニターし、最終的に治療困難である抗HLA抗体陽性例患者治療の参考にしたい考えている。もう一方の対象患者は血液型不適合移植患者である。1989年に当科では血液型不適合移植における免疫抑制は手術中の脾臓摘出を施行している。しかし、特に小児における脾臓摘出は異論が絶えない。脾臓は細菌のフィルターであるために、摘出後にはとくに肺炎球菌の抗原量が爆発的に増加すると報告されている。そのため、スウェーデンを中心に脾臓摘出を施行しないでこの種の移植(不適合移植)を試行するプロトコールが行われてきている。高感作者同様、血液型不適合で脾臓摘出を試行しない患者に対してもリツキサンを投与し脾臓内のBリンパ球を根絶する。フロー解析において術後のB細胞のモニターをおこない液性免疫能を観察する。もっとも問題となっている高感作者や血液型不適合患者に対する新たな免疫抑制にとって改革的な時期をむかえているのかもしれない。今回の研究では液性免疫能による拒絶反応をCD15s抗原のモニタリングによってとらえることが主眼である。
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Research Products
(6 results)