2003 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤形成におけるレニン-アンギオテンシン系の関与についての研究
Project/Area Number |
15591740
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
板倉 敦夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (70262897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 栄彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00159162)
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Keywords | アンギオテンシンII / 絨毛細胞 / Extravillous trophoblast / 絨毛癌 / 妊娠中毒症 / Cytotrophoblast |
Research Abstract |
過去のわれわれの研究から絨毛癌細胞株に対して、アンギオテンシンIIは、増殖促進効果を発揮した結果が得られていたため、まずin vitro実験で、絨毛癌細胞株にアンギオテンシンIIを投与して、その細胞移動能・浸潤能の変化を検討した。その結果、移動能・浸潤能の亢進が認められた。これらの結果は、アンギオテンシンII受容体阻害薬投与により胞状奇胎が侵入奇胎・絨毛癌等への続発性疾患を抑制する可能性を示しており、今後さらに研究を発展させることにより、臨床応用も可能であると考える。 他の研究者によって酸素濃度は、妊娠初期の絨毛細胞の増殖や分化が制御するとの報告されており、妊娠初期の局所での低酸素状態が、妊娠中毒症を引き起こしているのではないかと推察されている。妊娠中毒症妊婦での、レニン-アンギオテンシン系が亢進していることは、以前から知られていることなので、われわれは、アンギオテンシンIIが低酸素培養モデルと同様の変化をもたらすのではないかとの実験仮説を立てて、妊娠初期絨毛を用いて組織培養を行った。アンギオテンシンII投与は、免疫組織化学染色によってcytotrophoblastの増殖を亢進させることが示され、FACSによって、extravillous trophoblastの表面特異マーカーの現象が確認されたため、extravillous trophoblastへの分化を抑制することが示された。これらの結果によって、アンギオテンシンIIは、低酸素下での培養と同様の結果であり絨毛組織にもたらすことの可能性が示された。今後の本研究では、さらにこの現象に関する作用メカニズムを明らかにすることにより、胎盤形成時期から異常がみられる妊娠中毒症の発症機序の解明およびその治療に有用となることが期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Tsukahara, A.Itakura et al.: "Umbilical plasma kininase I activity in fetal hypoxia"Hormone & Metabolic Research. 35. 583-587 (2003)
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[Publications] S.Matsuura, A.Itakura et al.: "Effects of estradiol administration on feto-placental growth in rat"Early Human Development. (in press). (2004)
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[Publications] C.Ito, A.Itakura, et al.: "A prospective evaluation of the effects of salpingectomy on endometria 1 lymphocyte clusters in cases with hydrosalpinges"Fertility and Sterility. (in press). (2004)