2005 Fiscal Year Annual Research Report
閉経の筋肉量、体脂肪量、体脂肪分布に及ぼす影響とホルモン補充療法の予防効果
Project/Area Number |
15591767
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
堂地 勉 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60150413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 利通 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60253879)
岩元 一朗 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50281225)
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Keywords | 加齢 / 閉経 / 骨塩量 / 上半身型体脂肪分布 / 筋肉量 / 体脂肪量増加 / estrogenの低下 |
Research Abstract |
閉経に伴う体脂肪分布の上半身へのシフトは体組織成分の変化(筋肉量減少、体脂肪量増加)に先行する。 〔目的〕加齢や閉経により骨塩量(BMD)の低下、上半身型体脂肪分布への移行、筋肉量低下、体脂肪量増加が起こる。これらの一連の変化の中でBMD低下は最も先に起こる。しかし、その後に体組織成分や体脂肪分布がどのような順序でどのように変化していくかは明確でない。そこで次のような実験を行った。 〔方法〕閉経女性158例を対象とし、50-53 (n=32)、54-57 (n=39)、58-61 (n=34)、62-65 (n=53)の4歳毎の4群に分けた。規則的月経周期を有する50-53歳の有経女性41例を対照とした。年齢、身長、体重、閉経後年数を調査した。体脂肪量(率)、筋肉量、全身と腰椎のBMD、躯幹・下肢脂肪量比(T/L fat)、筋肉量比(T/L lean)をDEXA (QDR2000)で測定した。これらの因子を群間で比較した。 〔成績〕1)50-53歳の閉経群では対照に比較して唯一BMDだけが低く(P<0.05)、他の因子に差を認めなかった。2)54-57歳になって初めてT/L fat (1.2±0.4)は対照(1.06±0.4)を上回り(P<0.05)、以後加齢とともに上昇した。一方、3)筋肉量は58-61歳(32.5±4.6)になって初めて対照(34.2±4.4kg)を下回り(P<0.05)、以後加齢とともに低下した。4)体脂肪率は58-61歳(35.1±6.2%)になって初めて対照(32.4±6.8%)を上回り(P<0.05)、以後加齢とともに増加した。5)T/L leanは5群間で差を認めなかった。 〔結論〕閉経により最も早く起こる現象はBMD低下である。次に体脂肪分布の上半身へのシフト、最後に起こるのが筋肉量の低下とそれと鏡面的な体脂肪量の増加である。閉経初期の体脂肪分布の上半身へのシフトには、運動量の低下よりは閉経に伴うestrogenの低下が関与しているように思われる。
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