2005 Fiscal Year Annual Research Report
実験的内耳自己免疫病モデルの確立-新しい免疫学的手法を用いて-
Project/Area Number |
15591821
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和秀 大分大学, 医学部, 講師 (10305055)
|
Keywords | マウス / II型コラーゲン / 聴性脳幹反応 / CpGモチーフ / スーパー抗原 / Mycobacterium tuberculosis / フロインドの完全アジュバンド / 関節炎 |
Research Abstract |
一昨年度の研究で、我々はマウスをII型コラーゲンで全身感作し、聴性脳幹反応を用いて難聴発症の有無を検討した。しかし、難聴の有意な発症を確認することはできなかった。さらに、CpGモチーフやスーパー抗原(Staphylococcal enterotoxin B)を加えて全身感作を行い、難聴発症の有無を検討したが、同様の結果であった。上記の三つの実験系では、文献的には関節炎の発症が確認されている。しかし我々の結果では、一部の動物に軽度の関節炎が認められたのみであった。したがって、我々の研究ではII型コラーゲンの感作が十分でなかった可能性も考えられる。本年度は実験的関節炎を確実に発症させる手技を検討した。 Tadaらの論文の実験方法に従い、ウシII型コラーゲンを、H37Ra Mycobacterium tuberculosis を含有したフロインドの完全アジュバントと混合し、マウスに皮下注、21日後にII型コラーゲンをフロインドの不完全アジュバントと共に注射した。その後、経時的に関節炎の発症を観察していったが、文献にあるような高頻度の関節炎は発症せず、炎症の程度も高度とはいえなかった。 このような結果に終わった理由として、免疫の手技上の問題や、使用したマウスの亜系による反応性の差などが考えられる。今後は、より基本に立ち返って、これらの要因をひとつずつ検討しつつ、関節炎を確実に発症させる方法を確立させることが、より再現性の高い実験的内耳自己免疫病モデルの確立に必要と思われた。
|
Research Products
(2 results)