2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591862
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小林 かおり 佐賀大学, 医学部, 講師 (60325595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖波 聡 佐賀大学, 医学部, 教授 (70089100)
小林 博 佐賀大学, 医学部, 助教授 (00215360)
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Keywords | 網膜色素上皮 / 網膜分化 / アポトーシス |
Research Abstract |
ニワトリ胚網膜色素上皮細胞の特異的な遺伝子として単離されたpP344遺伝子は、分化、形質転換に深く関わり、セリンプロテアーゼインヒビター類似配列を有する。昨年度PP344タンパク質の機能を解明するために、テトラサイクリンを用いた哺乳類細胞発現システムを用いてPP344-His融合タンパク質を産生し、精製した。今年度はさらPP344タンパク質の網膜の発生、分化における役割を解明するために網膜の培養系を用いて、PP344タンパク質の網膜分化に対する影響について検討した。ニワトリ5日目胚網膜を単離し、10%FCS入りMedium199で、90000個/cm^2の密度となるように細胞を播種して、37℃,5%CO2で培養した。PP344-His融合タンパク質(0,2,10,50ng/ml)入りの1%FCS Medium199にかえて培養し、免疫組織染色及び、アポトーシス細胞検出を施行した。PP344融合タンパク質2ng/ml、10ng/ml、50ng/mlを添加すると、神経細胞突起の平均長が47.6±13.0μm、60.0±10.0μm、75.9±25.3μmとコントロールの27.1±9.2μmと比較して、濃度依存性に伸長した(P<0.0001,P=0.017,P=0.002)。GABA陽性細胞出現率は、PP344融合タンパク質を添加すると155.0%でありコントロールと比較して有意に高かった(P=0.009)。アポトーシス陽性細胞出現率は、PP344融合タンパク質添加群は155.8%でありコントロールと比較して有意に高かった(P=0.009)。PP344タンパク質は、培養ニワトリ胚網膜細胞の分化を促すことが示唆された。今後さらにpP344遺伝子産物の網膜におけるさらなる機能の解明が重要と考えられた。
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