2004 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜免疫を応用した要介護高齢者のカンジダ性義歯性口内炎等の新しい予防法の開発
Project/Area Number |
15592059
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
永松 浩 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (70275444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
小城 辰郎 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (80153542)
福泉 隆喜 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (50275442)
井上 博雅 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20137326)
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Keywords | 粘膜免疫 / Candida albicans / 口蓋偏桃 / 免疫 |
Research Abstract |
ウサギへCandida albicans(以下カンジダと略す)死菌全菌体を6週間扁桃投与した。得られた唾液を使い,抗体の誘導,抗原の検索と感染防御における作用を調べた.この結果、ELISA法および凝集反応により,扁桃投与前と比べ,扁桃投与により多くの抗体が唾液中に誘導されていることが示された.また,ヒトの口腔常在細菌と反応しないことを示した.また、唾液IgAとカンジダのWestern blot法では,分子量の広い範囲に陽性反応が見られ,主要な抗原は,多糖であることが示唆された.投与抗原のカンジダは免疫原性の高い細胞壁多糖を3種類持ち,それらに対する市販の特異抗体を利用して,唾液抗体の抗原をさらに検討した.反応前に第六因子に対する特異抗体を処理したときだけ、ELISA法と凝集反応が大きく減少した.したがって,唾液抗体は第六因子細胞壁多糖抗原と反応することが強く示唆された.さらに,抗原蛋白質を酵素分解または加熱により変性処理させても,ELISA法と凝集反応には影響しなかった.一方,抗原を酸で作用させ多糖の分解処理をすると,ELISA法と凝集反応は大きく減少した.この結果は,唾液抗体は第六因子多糖抗原と反応することを強く示唆している.次に、感染防御における作用を調べるために、ヒト歯肉上皮細胞由来の細胞株(Ca9-22)へのカンジダの付着を検討した.カンジダ生菌はCa9-22細胞と短時間培養すると細胞に付着する.このときンジダ生菌と唾液抗体を作用させた後,細胞と培養すると付着が大きく減少し,非免疫唾液では阻害は見られなかった.したがって、誘導された唾液抗体は、ヒト上皮細胞やレジンプレートへの付着を大きく阻害する能力を持つことがわかった.
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