2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脊髄後根神経節細胞に対する麻酔作用の共焦点レーザー顕微鏡による画像解析
Project/Area Number |
15592127
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 雅仁 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (60215845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四戸 豊 岩手医大学, 歯学部, 助手 (30347885)
佐藤 健一 岩手医大学, 歯学部, 講師 (90265174)
城 茂治 岩手医大学, 歯学部, 教授 (20154411)
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Keywords | 麻酔薬 / 脊髄後根神経節 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 細胞内カルシウムイオン / 画像解析 |
Research Abstract |
本年度では、ラット脊髄後根神経節(DRG)細胞で組織本来の形態を保った標本作成が可能となった。またDRGに対する蛍光カルシウムイオン指示薬Indo-1の適切な負荷条件を検索し決定した(コラゲナーゼによる結合組織の消化後Indo-1/AMを25℃で90分負荷)。これにより得られたDRG細胞標本にATPを還流しリアルタイム共焦点レーザー顕微鏡により細胞内カルシウムイオン濃度変化の画像解析を行った。DRGには大型の細胞と小型の細胞が混在しており、その二者による反応性の違いが論じられることが多い。事実今回、高カリウム刺激に対する反応では、大型の細胞が小型の細胞より早く細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が起こることがわかった。しかしATP投与では、細胞の大きさにかかわらず、細胞内カルシウムイオン濃度上昇が生じる細胞と変化しない細胞があることがわかった。またこの反応はリドカインにより抑制された(「ラット末梢神経節細胞のATPによる細胞内カルシウムイオン濃度上昇に対するリドカインの効果」日本歯科麻酔学会総会にて発表)。われわれはこのDRG細胞のATPに対する反応性の違いに着目し、生後0日のラットよりDRG標本を作製しATPを投与した。すると生後0日のDRGでは細胞の大きさはほぼ均一で、ATPに対する反応性も一様であることがわかった。今後は細胞群の分化の時期と反応性の変化についてさらに研究する予定である。
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