2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592178
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大野 紘八郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (70014206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
川崎 堅三 鶴見大学, 歯学部, 教授 (50064374)
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Keywords | 歯牙形成不全症 / Amelogenesis imperfecta / 発症機序 / マイクロCT / SEM / EPMA元素分析 / DNA分析 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は遺伝性歯牙形成不全症の発症機序の解明と遺伝子レベルの検索であった。本研究は倫理委員会の承認を受け、試料提供者へ研究の目的と試料の利用についてインフォームドコンセントの後、文書による同意を得た。第一の研究ではエナメル質形成不全のある症例の臨床所見、パノラマエックス線検査および家系調査から、この発育異常が遺伝的要因と関連するものかどうかを検索した。脱落乳歯のマイクロCTによる立体構造の再構築像から、歯冠表面全体に凹凸が認められ、且つ、正常なエナメル質と陥凹のあるエナメル質が歯冠軸に垂直に、交互に帯状に並行しているのが観察された。研磨標本の光顕像から、エナメル小柱の走行は正常部ではエナメル象牙境からエナメル質表面までほぼ直線的に走行しているが、陥凹部の形成不全部への移行部では弯曲していた。陥凹部では小柱構造はみられず、層板構造を示した。この所見から、陥凹部ではエナメル芽細胞はトームスの突起を形成せず、しかもライフサイクルも短命であることが推察された。EPMAによる元素分析から、層板構造部ではリンおよびカルシウムが少なく、マグネシウムが多かった。この分析結果はエナメル質形成過程の初期段階と類似していた。 口腔粘膜を歯ブラシで擦過して得られた試料からDNAを抽出して、作製したPCR産物のDNAシークエンス分析から、AMELX遺伝子のエクソン3とエクソン6の領域に変異のあることが分った。第二の研究ではマウスを使用して、歯根の形成異常の1つである樋状根の形成を経時的にマイクロCTにより観察し、数値化した樋状根の度合いを表現型として、Strain distribution pattern上の遺伝子マーカーとの量的遺伝子解析から、樋状根成因遺伝子が11番染色体上にあることが示唆された。
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