2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯根膜線維芽細胞におけるMMP-1遺伝子の発現
Project/Area Number |
15592179
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
上松 節子 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (80271378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 嘉久 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70340057)
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Keywords | PDL / メカニカルストレス / IL-1β / RT-PCR / 反復性伸展刺激 / MMP-1 / collagen type-I |
Research Abstract |
本研究は,サイトカイン(IL-17)およびメカニカルストレス刺激下のヒト線維芽細胞におけるC/EBPの発現とその変化を明らかにし,それがMMP-1遺伝子の発現にどのような影響を与えているかを解明することを目的として行った. Shimizuらの方法^<11)>に準じて,ヒト歯根膜線維芽細胞を得た.5〜7代目のコンフルエントな状態になった培養細胞をPBSおよびトリプシンで処理しその細胞浮遊液を収集し,6hall plate (Flexercell^【○!R】 strain unit)に播種し実験に用いた.申請者らは,平成14年度に培養プレート底部を持ち上げる方向のメカニカルストレスを加えた結果,MMP-1mRNAの発現に著明な経時的変化は認められず,collagen type-ImRNAは2時間後で減少し24時間後に増加することを明らかにした.しかし,IL-1βmRNAの発現は認められなかった.矯正学的歯の移動時すなわち歯根膜細胞にメカニカルストレスが加わる時期に,歯肉溝滲出液中IL-17量の経時的変化が認められる報告があることから,予備実験としてメカニカルストレス下での骨リモデリングに関与するヒト歯根膜線維芽細胞由来のサイトカインとしてIL-1β,歯周組織のdegradationに関与する因子としてMMP-1およびcollagen type-Iに着目し,それぞれのmRNA発現に及ぼす持続性および反復性メカニカルストレスの作用について比較検討を加えた.メカニカルストレスとしてアクリル製円柱による持続的な圧迫刺激とFlexercell^【○!R】 strain unitを用いた反復性の伸展刺激を加えた.実験群は2時間および24時間荷重して細胞を回収した.得られた細胞より通法に従いtotal RNA精製,first-strand cDNの合成を行いRT-PCR法にて,歯周組織の炎症反応および骨吸収においてに重要なメディエーターであるIL-1βと,extracellular matrixのMMP-1,collagen type-ImRNAの検出を行った。その結果,反復性の伸展刺激下ではIL-1βmRNAの発現に経時的な変化が認められた.一方,MMP-1,collagen type-Iに著明な変化は認められなかった.しかしながら,伸展刺激の強さと実験時間についてさらに検討を加える必要性が示唆された.これらの条件設定が確立された上で,IL-17刺激とメカニカルストレス刺激の2条件下でのMMP-1の発現についてさらに検討を加える予定である.現在,反復性伸展刺激の条件設定とともに実験を継続して行っている.平成16年度には,IL-17刺激の設定条件について検討し,IL-17およびメカニカルストレス刺激下でのC/EBPの発現について検討する予定である.
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