2006 Fiscal Year Annual Research Report
音楽によって生じる感情反応と自律神経系の応答に関する研究
Project/Area Number |
15592231
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
深田 美香 鳥取大学, 医学部, 助教授 (10218894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南前 恵子 鳥取大学, 医学部, 講師 (30252878)
笠城 典子 鳥取大学, 医学部, 講師 (60185741)
松田 明子 鳥取大学, 医学部, 助手 (00346347)
伊藤 靖代 鳥取大学, 医学部, 助手 (70379626)
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Keywords | 音楽 / 感情 / 自律神経機能 |
Research Abstract |
音楽鑑賞による反応の個人差を音楽感受性という観点から調査し、音楽によって生じる感情反応と自律神経系の応答について明らかにした。健康成人女性6名を対象に,音楽とマッサージの身体への影響を感情反応と自律神経系反応をもとに検討した.被験者に対して以下の4種類の実験刺激を行った.すなわち、音楽と音楽に同調したマッサージ、音楽聴取のみ、音楽は聴取せず音楽と同調したマッサージのみ、仰臥位(コントロール)である。減算負荷後に副交感神経活性が低下した場合は,音楽マッサージ15分後のHF値は音楽聴取のみに比べて高い値を示し,統計的有意差を示した.減算負荷により唾液chromogranin Aが増加した場合は,刺激開始後,唾液chromogranin Aは減少傾向を示した.減算負荷によりストレス反応を示した場合は,音楽マッサージにより副交感神経系活性は高まるが,交感神経活性には変化を及ぼしていないことが明らかになった.また,感情状態変化と自律神経系の反応には関連は見出せなかった.今後,唾液中chromogranin A反応の個人差を含めさらに検討が必要である. ストレスの緩和やリラクゼーションに最も効果的とされているモーツアルト音楽をBGMとして環境音楽に取り入れている事業所職員と、環境音楽を導入していない事業所職員の精神的ストレスの変化を検討することにした。新版「自覚症しらべ」(日本産業衛生学会産業疲労研究会、2002年)の結果からは環境音楽聴取が作業中の精神的ストレスの緩和に効果があることが示された。しかし、唾液中クロモグラニンA(Chromogranin A : CgA)では環境音楽聴取による差は認められなかった。環境音楽の聴取によるストレス緩和効果を明らかにするため、同一対象者に対する調査の実施および複数のストレス指標を用いた調査を行う必要がある。
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