2003 Fiscal Year Annual Research Report
産褥期の乳汁分泌に関与する乳腺構造分析と母乳哺育継続要因に関する研究
Project/Area Number |
15592269
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
葉久 真理 徳島大学, 医学部, 助教授 (50236444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 忠興 徳島大学, 医学部, 教授 (10112244)
竹内 美恵子 徳島大学, 医学部, 教授 (60236437)
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Keywords | 母乳哺育 / 産褥 / 乳腺構造 / 制限要因 / 依存的ケアモデル / オレム |
Research Abstract |
1.産褥期の乳腺構造 乳腺組織は、超音波で見ると、高エコー像として認められる。この高エコー像は、産褥早期から産後1カ月にかけて急速に広がりを認める者と、あまり広がりを認めない者がいた。また、乳腺組織内部に散在する不規則な低エコー像として認められる乳管と間質も、ほとんどの褥婦で拡大し、乳腺は、全体として拡大を認めた。乳腺組織の厚さは、産褥早期では最も薄い者は、15.7mm、厚い者は26.7mmであった。産後1カ月では13.2〜27.1の個人差があり、この乳腺組織の厚さと、母乳分泌との関係では、乳腺組織が薄い者に母乳分泌が良くない傾向を認めた。一方、乳腺組織が厚い者でも、母乳哺育が継続されていない者もいて、産褥期の乳腺構造から乳汁分泌良否の予知診断のためには、今後、多くの事例で分析を継続する予定である。 2.母乳哺育制限要因 産後1カ月までの母乳哺育を制限していた要因を、看護理論家オレムの依存的ケアモデルをもとに分析した。結果、母乳哺育継続を制限していた特徴的な要因には,「経験からのあきらめ」「想像上の児と現実の児の違いから生じた不適応」「児への想いから生じる不適切な助言」という3つの制限要因があがってきた。これらの制限要因には,関連性を認め,想像上の児と現実の児の違いから生じた不適応は,児との生活体験や母乳哺育体験の不足,時間的・精神的余裕が持てない生活環境,母親並びに家族の母乳不足の判断と対応の未習得を伴っていた。この要因をもとに母乳哺育制限要因調査票を作成し、信頼性・妥当性を検討中である。
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